今年「名探偵コナン」のアニメ&劇場版が20周年を迎えた。
それを記念したオーケストラコンサートが開催されることになり、先日行ってきたのでレポ及び感想をまとめておく。
このブログでリアルタイムでレポートを書くのははじめてになるのだがまさか最初がコナンコンサートになるとは。自分でもびっくりである。
目次
私と「名探偵コナン」
コナンのアニメがはじまった頃、私は9歳でアニメは1話から見ていた。
ちょうどその頃のコミックス最新刊は9巻。
本屋でおさななじみ男子に「これなかなかおもろいで」とドヤ顏でオススメされ、言われるがままにその9巻を購入した。
それが私の初めて買った少年漫画コミックスである。
小学校の時流行っていた交換ノートにもコナンくんを模写した記憶があるし、作中に登場する暗号を使って好きな男子の名前を各自こっそり書いたりしていた。
映画館ではじめて見たコナン映画は2作目の「14番目の標的」だ。
翌年の「世紀末の魔術師」では友人と「コナンめっちゃええやん!」と異様に盛り上がった末、「通天閣を目指すんや!」と冒険を繰り広げた。徒歩で。
私は大阪に住んではいるが、通天閣まで徒歩で行けるような都会には住んでいない。
結局隣の隣の市まで行き、たどりついた川で石を投げて遊んだあと、近くのショッピング施設でジュースを飲んで帰ってきた。
「通天閣を目指すんや!」とほざいていたのは何だったのか。
ただちょっと遠出して川で石を投げて帰ってきた田舎のアホの子である。
いまだに思い返すとしょうもなさすぎて笑える。一体私たちは何がしたかったんだろうか。ただただテンションが上がり作中に登場した通天閣を合言葉に盛り上がりたかっただけだった。
20年間ずっとコナンと寄り添って生きてきたのかといえばそうでもなく、その要因は何だったのだろうかと考えてみると「生活スタイルが変わり月曜夜のアニメの時間帯にテレビの前にいられなくなった」ことが大きかった。
とはいえ、毎年映画公開前になると金曜ロードショーで前年の映画が放送されるため、4月〜5月あたりはコナン脳になる。
タワーを見れば爆発が起こるんじゃないかと思うし、大型施設も爆弾が仕掛けられるんじゃないかと思うし、つり橋があれば落とされるかもしれないと思うし、大型の船では事件が起こると思っているし、狙撃されるかもしれないと思うし、仏像を見れば「赤いシャムネコが…!」と思うし、思わず普段使わないくらいのコテコテな大阪弁を使いたくなるし、工藤相手じゃなくても「なんやて工藤!」と言いたくなるし、前述の「通天閣を目指すんや!」の大冒険を思い出すのも決まってこの時期だ。
昨年ポルノグラフィティが劇場版のテーマ曲を担当することになり「こんな私に嬉しいコラボはない」と久しぶりに映画館に足を運んでコナン映画を見た。
それがきっかけとなり私のコナン熱はすっかり復活することとなった。
追えていなかったメインストーリーもしっかり学び「あの人がああなってこの人が出てきて、えっこんなことになっているなんて!」といった流れをあらためて把握し直したのがこの1年のはなしだ。
この流れで「コナンコンサート」なるものが開催されると知れば、行きたくなるに決まっている。
ゴールデンウィークの開催でスケジュールが読めずようやくチケットを取ろうとした時にはすでに「注釈付きA席」しか残っていなかった。
注釈というのは「映像が一部見えづらい場合がある」というもの。
今回のコンサートは事前からオーケストラの演奏とアニメ映像のコラボで20周年を振り返る、という内容がアナウンスされていた。ゲスト出演は倉木麻衣さんとのこと。
映像が見えづらいのは正直かなり辛そうだが、こんな機会は今回を逃すと次があるかわからない。コナンの音楽イベントは2008年に一度だけ開催されており今回の開催はそれ以来のものとなる。
「オーケストラの演奏を聴く」というだけでも相当な価値があるだろうと、意を決してチケットを購入することに決めた。
コナンコンサート大阪公演レポ・開演前編
大阪公演の会場は私の通い慣れた大阪城ホール。
グッズ販売があるのは知っていたが、まあギリギリに行っても害はあるまいとゆったりめに会場へ向かった。
着いたのは開演1時間ほど前。
なめていた。完全になめていた。
大阪城ホールのグッズ販売に参加したことがある方ならわかると思うがグッズ列は階段を下り、川沿いに伸びていた。ジャニーズのグッズ販売レベル。
おとなしく最後尾にそっと加わり、控えめにグッズを購入させていただいた。
グッズのラインナップをネットで知り、その中にペンライトを発見した私は「オーケストラなのに?ペンライト??」と混乱するほかなかった。
一体どこでどう振ればいいのか。オーケストラなのに。
客層は幅広く、オタクらしい人もいれば全然オタクらしくない人もいたし、子供から大人まで様々。
服装はカジュアル、グッズのTシャツを着ている方もちらほら。
そして軽くコスプレな方もいらっしゃってコナンくんが複数と服部っぽい方も見かけた。
ショルダーバッグにびっしりコナンキャラの缶バッジをつけている子供を発見した時には思わず癒された。
大きいお友達でなく小さなお友達がこうしてグッズを愛でているのを見ると、なんだかグッズが本来のかたちで使われているような気がしてほっとしてしまう。
大人が不純だと思っているわけでもないのだが、「ああ、本当にこの子は純粋にコナンが好きなんだなあ…」と思ってしまって勝手に心温まってしまった。
グッズ列でおとなりに小さな小さなリュックを背負った子がいて、お母さんがチャックを開けて中から分厚いコナンの本を取り出しているのを目撃した時にもぐっと来た。
小さな小さなリュックに分厚い分厚いコナンの本を入れているなんて、君はなんてものを背負っているんだ。
しかも表紙に結構凶悪そうなジンがいた気がする。
君は本当になんてものを背負っているんだ。
健気なコナン愛を目にしてアラサーの私はなんだか感動してしまったのだった。
コンサート内容レポ編
開演前に焚吐(たくと)さん登場
開演時間10分ほど前に進行役の大抜卓人さんと諸國沙代子アナウンサーが登場。
現在コナンアニメのエンディング曲を担当しておられる焚吐(たくと)さんを呼び込み、「ふたりの秒針」を披露。
すごく勝手なイメージというか偏見で申し訳ないのだが、実際ご本人を見るまで「相当ヤンチャ系にちがいない」と思っていた。
だって「焚く」に「吐く」で「たくと」。年はなんと19歳。
インパクトがすごい。ヤンチャの匂いがプンプンしやがる。
コナンで使われている曲だってサビが「チークタークとー♪」だ。
サビの歌詞に「たくと」入ってもうてるやん。こいつはヤンチャの匂いがプンプンしやがる。
どんな雰囲気の方なのだろうと思いながら見守っていると、緊張しているのかこちらが「頑張れー!」と言いたくなってしまうほどのか細さであった。
舞台に出てくる時とはける時の動作が国歌斉唱するのかな?と思うくらい、卒業式で卒業証書を受け取るために壇上に上がる時くらいのぎこちなさ。
歌っている様は堂々たるもので引き込まれた分、なおさらその出入りの時の動作が気になってしまった。アラサー、19歳を親心で見守るの巻である。
私の席は見切れ席だったので正面からだと見えない出入り口やちょっとした待機スペースまで見えたのだが、最後の最後引っ込むところまでその様子のまま移動し深々とスタッフさんにお辞儀していたのを見て「名前とか諸々でヤンチャだとか思ってすいません…」と心の底から思った。
たぶん焚吐さんええ人やと思う。
ここで少しステージの形について記しておく。
今回のコンサートは大阪城ホールを横長に使うタイプのセット構成であった。
私の「注釈付きA席」はこのセットを真横から見る席で、詳しく言うとスタンド席の一番端だった。通路を挟んだ隣は布で覆われてつぶされている。
もちろん真横なのだからメインモニターはまったく見えない。注釈付きだったとはいえ悲しい。
しかしながらそういった客のために小さめのモニターも設置されていて、心の底から感謝した。見えないかもよ?と注釈を付けていたのにこの配慮。素晴らしすぎか。
城ホールは縦長に使われることのほうが圧倒的に多く、私が座っていたJブロックは普段ならセットの裏になる部分。
「ここにいつもはセットが…」と思うとなんだか不思議で、改めてセット設営のすごさを感じた。
ついついセットの華やかな部分、装飾であったりモニターであったり花道や特効などに目が行きがちだが、そもそもあのセットの床も壁もすべて元々そこにはないものだ。
不思議だ。
ど素人の私からするとどこをどうやって組み立てているのか想像もつかないなぁと、いつもとは違う装いのスタンド、アリーナを見て改めて思ったのだった。
開演・オープニング
オーケストラの面々が出揃い、画面に聞こえてきたのはコナンくんの声。
20周年を感謝するコナンくんの挨拶。
「まずは…」
「ちょっと待った!小さな名探偵くん」
「キッド!?」
みたいなコナンとキッドとのやりとりがあって、一時休戦して祝おうぜみたいな会話を繰り広げる。
「レディースエンドジェントルメン!名探偵コナンコンサート、スタート!」
の宣言でいよいよ演奏開始。 コナン役・高山みなみさん、新一&キッド役・山口勝平さんの開会宣言、アツすぎる。
おごそかなイントロダクションでいきなり涙腺を刺激されたあと始まったのはおなじみのあの曲。
そう、名探偵コナンのメインテーマ。
最新映画の予告でも再生すると同時に流れ出すこの曲である。
ちなみに劇場版では毎回アレンジが変えられているのでそれも楽しみの1つ。
「太陽にほえろ!」のテーマに似ているなあと常々思っていたのだが、今回コンサートのパンフレットに制作を手掛けた大野克夫さんのインタビューが掲載されていてその謎がようやく解けた。
『いろんな人に「太陽にほえろ!」に似ていると言われるのですが、これは私のせいではありません。当時のレコーディングディレクターがどうしてもあのチャラン、チャラン、チャラン、チャラン、チャッチャ(「太陽にほえろ!」のイントロのフレーズ)を入れて欲しいというので、似てしまったという訳です。』
(名探偵コナンコンサート2016パンフレットより、大野克夫さんのコメントから抜粋)
オーケストラの演奏で聴くこのテーマにテンションが上がらなかった者はいないだろう。
もちろんアニメ映像付き。思わず捲き起こる手拍子。
この曲が流れ出すと「俺は高校生探偵、工藤新一。」と思わず言いたくなってしまうのは私だけではないはずだ。
オーケストラの演奏で、声のみのアニメ映像が流れるとするならきっとここにいるほぼ全員が心の中で「俺は〜」をアテレコするのだろうなと思うとなんだかニヤニヤしてしまう。
メインテーマの演奏が始まり、よきタイミングで例の、新一が「俺やで!」とばかりに親指で自分を指すいつもの映像に差し掛かった。
心の中でアテレコしようと思った瞬間、音量が下がるオーケストラの演奏。
そして聞こえてきたのはいつもの、山口勝平さんボイスによる
「俺の名前は工藤新一!」
いや、言うんかい!!!
オーケストラの生演奏をバックにしてもそこは言うんかい!!!
オーケストラの常識を覆す演出にウケる会場。文字通り「ドッ!」と笑いが起こった。
思わず吹いたのちにニヤニヤがおさまらない私。
いきなりなんと楽しいコナンコンサートか。
今更ながらこの劇場版ではおなじみのあらすじを書き起こしてみる。
20年間で何度聞いたかわからない。この部分の映像を見ると思わず頭の中でアテレコしたくなる。
「俺は高校生探偵、工藤新一。幼馴染で同級生の毛利蘭と遊園地に遊びに行き黒ずくめの男たちの怪しげな取引現場を目撃した。取引を見るのに夢中になっていた俺は、背後から近付くもう1人の仲間に気付かなかった。俺はその男に毒薬を飲まされ、目が覚めたらー」
「体が縮んでしまっていた。工藤新一が生きていると奴らにバレたら、また命が狙われ周りの人間にも危害が及ぶ。阿笠博士の助言で正体を隠すことにした俺は、蘭に名前を聞かれてとっさに『江戸川コナン』と名乗り、奴らの情報を掴むために父親が探偵をやっている蘭の家に転がり込んだ。」
コンサートでは蘭の家に転がり込むところまで、あくまで新一・コナンの紹介で終わっていた。
もちろんペンライトだってあちこちで揺れている。
あまり数は多くなく、気になったのでコンサート中ざっと数えてみた。
アリーナ席で大体30ほど。スタンド席は各ブロックで10〜30ほどだろうか。
とにかくそんなに多くはなかった。
アニメオープニング曲メドレー
メインテーマが終わるとまたコナンとキッドの会話が繰り広げられ、続いて演奏されたのは怒涛のオープニング曲メドレー。
アニメ放送開始時のオープニング、ザ・ハイロウズの「胸がドキドキ」のイントロが流れ出した瞬間、会場の熱が一気に上がったのがわかったし当然私のテンションも上がった。
そこから時系列に沿って全曲を短くつなぎ合わせた形で演奏されていく。
アニメの歴史を振り返るにはもってこいの形である。
もちろんボーカルは無し、主メロは曲ごとにあったパートの方が担当されていた。
このコンサートの音楽監督とピアノ演奏をつとめたのは大貫祐一郎さん。
パート編成はというと、ベース、ドラム、ギター、シンセサイザー、パーカッション、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックス、トランペット、トロンボーン、ホルン、フルート、クラリネット、ティンパニ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、計33名。
映像も当時使われていたものが流されていて特に初期のものは懐かしく感慨深かった。
そんな中でおもしろかったのがコナンくんが踊るパラパラと共に演奏された「恋はスリル・ショック・サスペンス」。
当時からなかなかざわつかせる仕様ではあったが、今考えてもやっぱり流行っていたとはいえコナンくんにパラパラを踊らせなくてもよかったのではないか。
しかもあんな真剣な顔で。
いまだに考えれば考えるほど心の中がざわざわする。
想像してみてほしい、その映像がバックに大写しにされながら演奏される豪華なオーケストラバージョンのこの曲を。
ニヤニヤしないわけがない。フフッてならないわけがない。
オープニング映像はアニメにおいて重要だ。
だからこそかっこよく作られるしキメ顔も多い。場面だって大がかりだったり衣装はおしゃれで現実離れしていたりする。
それをつなぎ合わせるとこうなるんだなあと思った。
最高にかっこよくて、最高につっこみどころもある。
オープニング曲として1パターンを見るのならあまりつっこみどころはないのだが、選り抜きを見続けるとじわじわ来て困る。
何回ロゴ出るねん!と思ってしまうくらいにロゴが出てくるし、突然の決め顏、振り向きながらの決め顔、いっそムカつくほどのドヤ決め顔、豊かな自然にいきなり佇んでみたりもするし、軽快に歩いてみたりおもむろに駆け出してみたり、急なドレスアップ、かっこよすぎる黒の組織、遊園地で黒ずくめでジェットコースターに乗り容疑者の中に含まれた時「いやどう考えても確実にこいつらやん」というようなところからはじまったのにこんなにスタイリッシュに描かれるようになった黒の組織、やたらとかっこよくはずして投げられるコナンくんのメガネ、精密機械なのに投げたらまずいんじゃないのコナンくんのメガネ、神々しく菩薩のような微笑みを見せる蘭。などなど。
とにかく盛りだくさんの映像だった。
懐かしさとかっこよさとおもしろさと、笑いたくなるのと泣きたくなるのと、感情が揺さぶられすぎてこの時点で疲れた。
「事件と推理」パート
アニメを彩るBGMの中でも事件と推理シーンで使われる曲が集められたパート。
ペンライトが販売されていた時点でこうなるのは予想していた。
だから例えニヤニヤしてもけっして笑うまい、と思っていた。
アニメ映像はビジョンにずっと流されている。
その楽曲が使われるシーンを集めたものだ。
犯人を「待て!」と追いかけるシーンなどで流れる曲でもゆれるペンライト。
これはまだアップテンポな曲なのでわかる。
緊迫したシーンで使われる曲でもゆれるペンライト。
謎について考えるシーンで流れる曲でゆれるペンライト。
かっこよく推理で追い詰めたのち犯人が自供しはじめるシーンで流れる曲に合わせてゆれるペンライトを見た時、いよいよ私は笑わずにはいられなかった。
長年にわたって私の脳裏に焼きついたコナンBGMのイメージがそうさせた。
犯人の心境を考えればこれはもういっそ不謹慎である。
オーケストラの生演奏は豪華で、映像は懐かしくて、でも視界にはペンライトがゆれていて。混乱する。
なにこのミスマッチ具合。コナンコンサート最高すぎる。
冒頭のあらすじボイスをはじめとした映像の盛り込み方、ペンライトをグッズ化している点などからもこのコンサートが単にオーケストラによる「上質な音楽を聴くための」コンサートではないことは明白だった。
映画の名シーンとテーマ曲
続いて流れはじめたのは劇場版2作目「14番目の標的」の映像。
こちらは音声も込みで本編のダイジェストが流れた。
何者かにボーガンで打たれた目暮警部。
入院する目暮警部を見舞うコナン・蘭・小五郎。
ダイジェストだったため次の瞬間には阿笠博士がベッドにうつぶせに横たわっていて、私の周りでは「阿笠博士になにがあってん…?」とばかりにクスクス笑いが起こっていた。
私にとってははじめて劇場で見たコナン映画であり、思い出の作品。
この作品では過去に妻・妃英理が人質に取られた時に発砲し怪我をさせた小五郎、という描写がありそれが肝になっている。
怪我をさせてしまうかもしれないのに、なぜ撃ったのか。
蘭はまったくその心境がわからなかった。
ラストシーンでその時と同じ状況になり、人質となった蘭を撃つコナン。
その時にようやく、小五郎が「わざと足をかすめるよう撃ち、歩けなくすることで人質として犯人に連れて行かれるのを避けた」のだと理解する。
その部分に焦点を当てたダイジェスト映像が流れ、演奏されたのがこの映画のテーマ曲ZARDの「少女の頃に戻ったみたいに」。
イントロの時点で泣きそうになったのだが続いて流れてきたのは坂井泉水さんの歌声。
ZARD曲のみ生演奏と録音された歌声で披露されたのだった。
もうすぐ彼女が亡くなって9年になる。
今年に入り4枚組のベストアルバムも発売されていてそれを聴いていたこともあり、余計に涙腺がゆるんでしまった。
ZARD Forever Best~25th Anniversary~
- アーティスト: ZARD
- 出版社/メーカー: ビーグラムレコーズ
- 発売日: 2016/02/10
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (6件) を見る
ここから数曲はZARDの楽曲が披露された。
劇場版9作目「水平線上の陰謀」のテーマ「夏を待つセイル(帆)のように」
劇場版12作目「戦慄の楽譜」のテーマ「翼を広げて」。
もちろん映像をバックに。
懐かしさのあまり「帰ったら観よう…!」と決意した方も多かっただろう。
この後蘭が「ZARDの歌声が蘇るなんて…感動して涙が出ちゃう」と言い、園子は大号泣。
時折アニメの世界観から飛び出し絶妙に現実世界側の心境に寄り添ってくるので混乱してしまう。
続いてはキッドに関する楽曲、ということを予告しここで15分の休憩タイム。
休憩タイムに着ぐるみ登場
アリーナから歓声が上がったと思うと、そこにはコナン・蘭・小五郎・キッドの着ぐるみが。
どうやら開場時などにも出現していたらしいのだが、私はこの時に見たのが初見だった。
中でも特記しておきたいのがキッドである。
着ぐるみだからといって侮ってはいけない。
私はそんなに「キッド様♡♡♡」と思っているタイプではないのだが、帰る頃にはすっかり「キッド様♡♡♡」のテンションになっていた。
こわい。着ぐるみあざとい。こわい。
マントをひるがえすキッド。あがる歓声。
投げキスするキッド。あがる黄色い声。
とにかくもうサービス精神旺盛すぎる。キザな野郎だぜ…!
後編は怪盗キッドパートからスタート
後編は少年探偵団(歩美・元太・光彦・灰原)+阿笠博士のトークからスタート。
聞き取れなかったのだが博士の寒いダジャレが炸裂していた。
たぶんダジャレのテンションだったと思うのだがせわしなく喋っていたのでよくわからなかった。最近の博士のギャグキャラっぷりがすごい。
結局キッドが仕切りなおして演奏がスタート。博士のギャグはなんだったのか…。
個人的な感想を書いておくとキッドパートの1曲目「怪盗キッドの予告状」のギターがかっこよすぎた。
位置的に全然見えなかったのだがおそらくギター、ワウペダルを使っていたのだと思う。違っていたらすいません。
調べてみると「怪盗キッドの予告状」という曲だった。
今回改めてキャラ別、シーン別で楽曲を聴いてみて「この曲ってそういう役割だったんだな」とはじめて知ったものも多かった。
聞き覚えはもちろんあるし、合わせて鼻唄を歌えるくらいには知っている。
なんとなくのイメージはあるが改めて提示されたことで今後はアニメの楽しみ方がぐっと広がりそうだ。それだけでも今回のコンサートに行った意味は大きかった。
キッド曲が数曲終わり、コナンとキッドの掛け合い。
「名探偵、なんだかんだで俺のおかげで助かってるんじゃねえか?」
「別にお前なんかいなくったって…」
「そんなこと言って、あの時だって俺がいなかったらどうなっていたことか」
「あの時?」
「忘れたとは言わせねえぜ」
という掛け合いからキッドが大活躍する劇場版14作目、「天空の難破船」ダイジェスト映像へ。
この作品で登場する組織「赤いシャムネコ」が私のツボを毎回刺激する。
もれなくニヤニヤしてしまう楽しい響きである。
たっぷりとキッドの活躍っぷりを見せつけられた後、テーマ曲GARNET CROWの「Over Drive」の演奏。
前半のZARDパートとは違いこちらは歌声なしだったが、ここからはGARNET CROW楽曲のパートへ。
アニメエンディングで使われていた「君という光」、オープニング「涙のイエスタデー」。
オーケストラバージョンのアレンジが壮大でこちらも泣けた。
GARNET CROW「君という光」(TV Version)
途中キッドがコナンたちの楽屋からいいものを頂戴したと発言し、「プレゼントとして座席の裏に貼っておいたぜ!」という発言があった。
どうやら数少ないラッキーな方の椅子の裏には何かが貼ってあったらしい。
なんて粋なことをしやがるんだ怪盗キッド…!
ツイッターを見てみるとどうやら山口勝平さんと倉木麻衣さんのサイン色紙だった模様。
新一と蘭の楽曲パート
新一からの電話に出る蘭。コンサートに来れない新一に蘭はプンスカ。
「でもオメーのためにいい曲を頼んでおいたからよ。どれも俺たちの思い出が蘇る曲だぜ?離れてたって、これを聴けば…」
「新一…」
えっ、ちょっと待って、君たちイチャついてる時にバックで流れてる曲聴いてるの?思い出蘇るの???
パラレルすぎて大混乱する私。
もちろん楽曲を聴けば、私は思い出が蘇る。でも彼らも思い出が蘇るらしい。え?どういうこと?
ムーディーな曲が流れた時には「これを新一が頼んでおいたのか…」とまたニヤニヤしてしまった。どんな17歳なんだ工藤新一…。
待ってました!の「迷宮の十字路」
私が劇場版で1、2を争うほど大好きな「迷宮の十字路」。
そう我らが服部平次の大活躍する作品である。
これも長尺でダイジェスト映像が流され私の「帰ったら観るべき映画」リストに加わった。
キッドが大人気なのは確かなのだが、このパートで服部が登場した時にも少し観客がわいた。さすが平次のホームタウン大阪、とでも言っておく。
この作品が好きな理由のひとつに楽曲の良さがあって、京都を舞台にしているためアレンジにも和が取り入れられている。
テーマ曲になっている倉木麻衣さんの「Time after time〜花舞う街で〜」も大好きだ。
この曲を聴くと京都に行きたくなるし、春になるとこの曲が聴きたくなる。
ということでここから倉木麻衣さんが登場。
薄暗い待機場所に登場した時点ですぐにわかるくらいのシルエットのドレス姿だった。
ピンクのドレスで、胸元は少し和っぽいあしらいがあったように見えたのだがなにせ小さなサブモニターでしか確認できなかったのであまり自信がない。頭には同系色の花飾り。
ちなみにここまでは完全にアニメの映像のみがモニターに映されていたのだが、ここからはステージの様子も映されるようになった。
曲のアレンジは、倉木さん自身のライブで演奏されたものと同じような雰囲気だった。
以下に貼った映像で聴くことができる。
倉木麻衣 LIVE DVD & Blu-ray「Mai Kuraki Symphonic Live -Opus 3-」ダイジェスト
そもそも今回コナンコンサートがオーケストラによる演奏で開催されることになったきっかけが、この倉木麻衣さんのシンフォニックライブだったそう。
このライブをコナンのプロデューサー諏訪道彦氏が観て、「コナンの曲をオーケストラで演奏したらもっと音楽世界が広がるのでは」と思ったことがきっかけになったということがパンフレットに記載されていた。
倉木麻衣さんが歌った楽曲は
「Time after time 〜花舞う街で〜」
「白い雪」
「Secret of my heart」
「風のららら」
「always」
の5曲。
映像は見覚えのあるものばかりなのに、聴こえてくるのはオーケストラの演奏に生歌。ものすごく贅沢なアニメの見方である。
やっぱり一番思い出深いのは初期曲の「Secret of my heart」だ。
「どんな 言葉に変えて 君に 伝えられるだろう」
「私にも言えないことが まだ ひとつだけある」
実はこの部分、蘭と新一をイメージして書かれていたのだとパンフレットを読んではじめて知った。
コナンにピッタリ!なんて子どもながらに思っていたがそりゃそうだ。
倉木さんパートのラストは「always」。
こちらはアニメエンディング曲であり劇場版5作目「天国へのカウントダウン」のテーマ曲。
一緒に歌ってください!と煽られ、びっくりしてしまった。
オーケストラコンサートなのにみんなで合唱とかあるんだ…!
倉木さんも移動のしにくいドレスを気にしながら左右へゆっくり移動してお客を煽っていた。
まさかコナンコンサートの終盤でこんなかたちでみんなが1つになるとは。
こんなにコナンを好きな人がいるんだなあと思うと涙腺が緩んでしまった。年をとるとより一層涙腺が緩みがちで非常に困る。
山口勝平さん登場
倉木さんパートのMCでは「倉木さんこんばんは!工藤新一です!」と唐突に新一の声が降ってきた。
録音か?という空気が漂ったのだが、途中で「はい、はい」と相槌を挟む新一の声を聞き、「もしかして、来ている…?!」とざわつく会場。
新一から倉木さんへの質問は「思い入れのある提供曲」と「コナンで好きなエピソード」。
曲ははじめてコナンに関わることになった「Secret of my heart」をあげられていた。
エピソードについては最新作「純黒の悪夢」を観に行って大興奮した!という回答。宣伝してくださる倉木さんさすが。
逆に倉木さんからも「この際なので、質問があるんですけど」と新一に質問。
「新一くんはズバリ、蘭ちゃんのことをどう思っていますか?!」とテンション高めに聞く倉木さん、客席も思わず「ヒュー!!」と冷やかしの歓声。
「ええっと…蘭はですねえ…幼なじみで…そうですね、幼なじみ…」
「幼なじみ?」
「はい!あの、なんというか……おおっと!残念ながらそろそろ時間が…」
しどろもどろになった後、なんともわざとらしいはぐらかし方で逃げよった。
途中でハハッ!とわざとらしい笑いも繰り出してた。なんて奴だ。
この後「always」を披露し、倉木さんがはけた後に進行役の大抜卓人さんと諸國沙代子アナウンサーが再び現れ、最後の最後で山口勝平さん登場。
山口勝平さんご本人を目撃した私は大興奮である。
実際この日一番歓声が上がったのがこの場面だった。
中の人はやっぱり偉大なのだと知った。勝平さん好かれすぎだから。
私は最近の声優さんにはあまり詳しくなく、知っている声優さんといえばもっぱらこのくらいの層の方である。
山口勝平さんは、私が「アニメキャラの声をやっているひとは『声優さん』らしい」と認識してかなり初期の頃に名前を覚えた声優さんだ。
そして、本当に本当に、本っ当に勝手な話なのだが、生まれてはじめて「中の人」のお顔を写真で拝見しわりと夢を打ち砕かれた方でもある。
私は工藤新一くんが本当に大好きな子どもだった。
だってめっちゃかっこええやん?と曇りなき眼で言えるくらいには新一くんが好きだった。
小学生の私にはたまに登場する新一くんはまさにカッコイイの象徴であり、カリスマ的キャラであった。
今冷静に見ていると、好きは好きでも「なんてキザで目立ちたがり屋で調子ノリな奴なんだ…!」とも思う。
コナンになる前の新一の調子ノリ具合半端ない。「俺やで!」のポーズで新聞に載っちゃうくらいだ。
新一は新一であって中の人のことなんて考えてもみなかったし、声優さんが顔を出すことなど一切無いと思っていた。
何がきっかけで勝平さんのお顔を拝見したのかは覚えていないのだが初めて見た時にイメージが違いすぎてかなりショックを受けたのを覚えている。
あれは生まれてはじめての衝撃でいまだに忘れられない大事件だった。
不思議な感覚で、今回生で拝見していてもやっぱり不思議な感覚になった。
地声がアニメの声とまったく変わらないタイプだから、ということもある。
目の前にいるのは間違いなく山口勝平さんで、話している内容も「山口勝平さん」としての名探偵コナンのお話なのだが声はやっぱり新一で、新一が喋っているのに勝平さんで、勝平さんが新一で…?というようななんとも混乱した不思議な感じだった。
うわあああ勝平さんだ!新一だ!喋ってる!生きてる!
と当たり前のことに興奮してしまった。
新一は勝平さんで、勝平さんは新一だった。
キッドの中の人でもあるのだが私の中ではやっぱり勝平さんは新一の人、だ。
小学生時にそんな、言ってみれば「勝平ショック」を受けた私が20年ほど経ってご本人を目撃しているというのはなんだか感慨深く、不思議な巡り合わせだなあと思った。
どうやら私はなんだかんだでやっぱり山口勝平さんが好きなようだ。
勝平さんの話で印象深かったのは、忘れられない名シーンは?との質問に「意外に『天空の難破船』でキッドが白ヤギさんと群れているシーンが好き。20年やってきてそれじゃダメですよね!ハハハ!」と答えていたこと。
ほかにも最新作の予告映像が流されみんなで鑑賞、見どころなどもお話してくれたが内容はまあ月並みに「アクションがすごい」ということと「黒の組織にどこまで迫れるか」というあたりだった。
最後にもう一度メインテーマを演奏して終了
勝平さんがはけ、最後に演奏されたのは最初にも演奏した「名探偵コナン メインテーマ」。
もう1回!?と思ったが、よく考えれば最初にやった時は「俺の名前は工藤新一!」が入ってきたのだった。最後は完全に演奏のみバージョン。
何度聞いても盛り上がるメインテーマ。テンションが上がりすぎて泣きたくなるこの感じ。
最後にはまさかの赤・青2色の銀テープまで飛んだ。
「銀テープ飛んじゃったよ!!」と内心ややツッコんでしまいつつもめちゃくちゃかっこいい締めくくり。
休憩まで含めておよそ2時間半、大満足の素敵な時間。
本当に足を運んで大正解だった。
このコンサートから早数日が経ち、その間にいくつかの劇場版と再放送されているアニメを見返した。
コンサートに行ったことで音楽の部分にも注目して楽しめるようになったとすでに手応えを感じていて、ものすごく得をした気分になっている。
帰ろうとしたら着ぐるみに遭遇した!編
大満足の時間を過ごし、いざ帰路につこうと城ホールの外へ出ると何やら人だかりが。
よく見れば柵の中にさきほど目撃したコナン・蘭・小五郎・キッドが。
当然私も興奮しながら中に混ざって撮影タイムに突入させていただいた。
蘭ちゃんがこちらへやってきた。
ポージングもかわいい。
蘭ちゃんが何かするたびに「かわいい〜!」という声があがっていた。
おっちゃんはかなしいかな、一番不人気でみんなの気を引くためにものすごくサービスしてポーズを決めていた。
写真はコナンくんのポーズだってパクっちゃう、の図。
一番まんべんなく神対応をしていらっしゃったのがキッド様。
というかやりたい放題といった感じだった。
コンサートの休憩時に登場した時もそうだったがとにかく決めポーズ。
颯爽とマントをひるがえし、決めポーズはバッチリと決め、しかもきっちり静止してくれる。
紳士なのでお辞儀なんかもしちゃう。
呼んだら離れた場所からも颯爽と歩いてきちゃう。かっこよすぎか。
このあと私も握手していただき、かっこよすぎる神対応っぷりに帰路に着く頃にはすっかり「キッド様♡♡」のテンションになってしまった。
お隣の熱いファンの方が握手してもらっていたので超至近距離での写真を撮ることに成功。
コナンくんのファンサービスは「一点集中型」で、熱いファンを厳選し濃いめな対応をする。
キッドとのファンサの違いに「着ぐるみ界にもそんな差が…!」と思った。
アイドルグループでいうなら「全体的に満遍なく、自分以外のファンにも対応してくれるタイプ」と「自分のファンに限定して対応するタイプ」がいるが、この日のコナンくんの場合は間違いなく後者。ちなみにキッドは前者。
あと蘭ちゃんはまわりを巻き込んでポージングしてくれるので「ファンが求めるものを提示してくれるタイプ」。
ファンが思わず「それ見たかった!」と思ってしまうありがたい分類であった。ありがとう蘭ちゃん。
そんなこんなで長々と書いてしまったが開演前から終演後まで非常に楽しませていただいた。
次回開催されるならばぜひぜひぜひまた行きたい。
そうそう、この記事を書いている5月4日は工藤新一くんのお誕生日だった。
新一くんお誕生日おめでとうございます。
もちろん名探偵コナン放送開始20周年も!おめでとうございます!
名探偵コナン カラーイラスト全集 1994-2015 (原画集・イラストブック)
- 作者: 青山剛昌
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/04/22
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログ (1件) を見る