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'02年前後のカミセンコンサートとベストアルバムと「手紙〜未来」の話


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唐突に2002年前後のカミセンのことを振り返ってみたくなった。

きっかけはというと、彼らが2002年のコンサートでカバーした楽曲を聴き返していて「やっぱり今聴いても最高だな」と思ったからである。簡潔にいえば「ケツメイシの『手紙~未来』最高すぎない?」というお話、だった。 

が、いろいろと調べているうちに内容が膨れ上がってしまった。余談が余談で無くなるのはいつものことで相変わらず締まりのないブログである。

ということでとりあえず2001年~2003年のカミセンによるコンサート、通称「カミコン」でカバーした曲がすごく良いというお話と、2002年に発売されたベストアルバムについて綴ってみたいと思う。

 

音楽というのは罪なもので、それをなんとなく耳にするだけでも当時のことが鮮明に思い出されたりする。特にこの頃私が大好きだったカミセン絡みの楽曲はその傾向が強い。まだ20代前半だったComing Centuryが歌うソレは、10代半ばの私が感銘を受けるには十分すぎた。

 

今だにお気に入りのその曲たちをたまに聴く。楽曲に込められたメッセージの受け止め方は少し変わってしまったような気もするがかなりの年数が過ぎているのだからそれも致し方ない。

10代が30代になっているのだ。さみしいことだが当然である。

でも、思い出される「当時のわたしが20代前半のカミセンを見て思っていたこと」は変わらない。そこから影響を受けて過ごした青春時代、というのも変わらずそこにある。

そういう部分がギュッと凝縮されているような気がするのが2002年のカミセンコンサートとベストアルバム絡みの楽曲、だったりするのだ。

 

 目次

 

 

カミコン2002開催日程とキャパ、セットリスト

まずはデータ的なものにふれておく。

このツアーは広島・大阪・北海道・宮城・東京の5ヶ所19公演、東京以外はホール規模で開催された。

広島/広島郵便貯金ホール(1,730席)

・9/28(土)14:30,18:00

・9/29(日)13:00,16:30

大阪/大阪フェスティバルホール(2,700席)

・10/5(土)14:30,18:00

・10/6(日)13:00,17:00

北海道/北海道厚生年金会館(2,300席)

・10/19(土)18:00

・10/20(日)13:00,16:30

宮城/仙台サンプラザホール(2,054席)

・10/26(土)14:30,18:00

・10/27(日)13:00,16:30

東京/国立代々木競技場第一体育館(13,245席)

・11/29(金)18:00

・11/30(土)18:00

・12/1(日)12:00,16:00

 

(※青字は追加公演)

 

単純に座席数×公演数で動員数を出してみると以下の通り。

広島 6,920人

大阪 10,800人

北海道 6,900人

宮城 8,216人

東京 52,980人

東京だけ計算間違いかと見紛う数字だが、あの代々木第一競技場での開催なので合っている。代々木の1公演だけで広島・大阪・北海道・宮城の各開催地での総動員数を上回るのだ。代々木に対して「大きい!」と驚くべきなのか、ホールに対して「小さい!」とつっこむべきなのか。

もう14年も前の話であるので倍率に関してはあまり覚えていない。が、私自身も追加公演での振替当選に回された身であったのでそれなりの倍率はあったように記憶している。

 

このツアーのセットリストはというとこんな感じだった。

会場・公演によりアンコール曲の変化などあるがここには私が参加した大阪公演のセットリストを記しておく。

Coming Century "HAVE A SUPER GOOD LIVE 2002"

2002.10.05 セットリスト

(※青字はカバー曲)

 

WHAT'S COOL?

TOP Checker

SHODO

Wild Style


ー挨拶ー


Ash to Ash

MISS YOU TONIGHT

CRUSH(森田・ダンスのみ)

SPEEDER'S HIGH

赤いタンバリン

BACK AT ONE (岡田)

HAVE A SUPER GOOD TIME


ーMCー


Over Drive

Kick off!

My Cherie Amour(三宅)

恋のシグナル

X,T,C, beat

I'M HAPPY MAN

Harlem Summer

人にやさしく

LOOKIN' FOR MY DREAM

手紙~未来

 

ーアンコールー

Theme of Coming Century

夏のかけら

 

 

2001〜2003年にカミセンがカバーした曲まとめ

2002年のカミコンで印象に残ったのはカバー曲が多かったこと

ジャニーズ諸先輩がたのカバーとなれば耳にする機会も多かったりするのだが、このコンサートにおいてはジャニーズ外の方のカバーが多く驚いた記憶がある。一部楽曲に関しては「新曲?」と勘違いしたのがなつかしい。

 

私自身が参加したカミコンは2001〜2003年の各年開催分のみで、つまりは3種類のコンサートを体感した。

ちなみにその前年、2000年のコンサートは映像として残っている。

VERY HAPPY!!! [VHS]

VERY HAPPY!!! [VHS]

 

V6・トニセン・カミセンとの3つのコンサートが収録された豪華仕様。はじめてアイドルが歌って踊るコンサートが収録されたこのVHSを購入した私は春休み中毎日のように見続け、おかげで私のなかで「コンサートとはどういうものか?」という情報は主にこの映像で固まった。

 

V6コンサートというのはどデカイ会場内ではるか頭上から真っ白い翼をつけてフライングで登場したりするものなんだな、と学んだ。その認識で合っていたのかどうかは別として。

「ああ坂本くん、高所恐怖症なのにあんなに頑張って…なんと立派な…!」と当時中学生のくせして若干の上から目線で失礼ではあるのだがさすがのプロ根性に感動したものである。

 

この作品の中に収録されている2000年のカミコン、そのセットリストはというとほとんどがカミセン曲、V6曲で構成されている。

となれば当然無知な私はその構成に関しても「カミセンコンサートってこんな感じなんだな」とインプットしたわけで、その認識を持って挑んだ01年のカミコンで度肝を抜かれたことは言うまでもない。

 

斬新!と思ったが、あとから調べてみると00年以前のコンサートでも実はカバー曲はそこそこある。

「どちらかというと00年の持ち曲だらけのセットリストの方が珍しかったのかもしれない」と気付いたのは何年も経ってからのことだった。

 

2001〜2003年のカミコンは映像作品としては残っていない。

唯一あるのは、アジアツアーとして開催された01年コンサートの写真集のみである。

Coming Century tour around Asia 2001

Coming Century tour around Asia 2001

 

  

その後2004年~2008年まではカミセンのコンサートの開催はなかった。

そのブランクを経てようやく開催された2009年のコンサートは同時期開催のトニセンコンサートと同時収録で映像化された。

20th Century LIVE TOUR 2009 HONEY HONEY HONEY/We are Coming Century Boys LIVE Tour 2009 [DVD]

20th Century LIVE TOUR 2009 HONEY HONEY HONEY/We are Coming Century Boys LIVE Tour 2009 [DVD]

 

セットリストのほとんどはやはり持ち曲が占める。となるとカバー曲の有無と映像化は関係あるんだろうか、とも考えてしまう。

 

個人的にこの3年間でカバーした曲は彼らの持ち曲とはまた違った角度でカミセン、各個人の「やりたい方向性」が詰まっている気がして、どうしても無視できないのだ。

ということで、改めてまとめてみることにした。

【2001年】

キング・オブ・ステージ/RHYMESTER

最後の言い訳(森田) / 徳永英明

SEXY M.F.(三宅:ダンス)/ prince and the new power generation

STEPPER'S DELIGHT / RIP SLYME

終わらない歌 /THE BLUE HEARTS

リンダリンダ / THE BLUE HEARTS

 

2002年】

CRUSH (森田:ダンス)/ GARBAGE

赤いタンバリン /BLANKEY JET CITY

Back At One(岡田) / Brian McKnight

My Cherie Amour(三宅) / Stevie Wonder

人にやさしく /THE BLUE HEARTS

手紙~未来 /ケツメイシ

 

2003年】

sayonara sayonara/KICK THE CAN CREW

男前(岡田)/HY

Guilty(森田)/EXILE

Like I Love you(三宅)/Justin Timberlake

 

ざっと曲名・アーティスト名を並べてみただけではなんとなく伝わりにくい。

どうしたものか…と唸っていたのだが、さすが10年以上経過しただけある。この便利な世の中では簡単に試聴もできるしアーティストによってはPVがフル配信されている。

そんな環境に感謝しつつここは存分に活用させていただく。以下に貼ってみるので雰囲気だけでも伝われば幸いである。

(youtubeリンク分はフル視聴可能)

 

 

やはり目立つのはヒップホップ・ラップ系邦楽の多さ。  

【2001年】

キング オブ ステージ

キング オブ ステージ

  • RHYMESTER
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

STEPPER'S DELIGHT

STEPPER'S DELIGHT

  • RIP SLYME
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

(フル) RIP SLYME - STEPPER'S DELIGHT - YouTube

 

【2002年】

手紙 ~未来

手紙 ~未来

  • ケツメイシ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

【2003年】

sayonara sayonara

sayonara sayonara

  • KICK THE CAN CREW
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

 (参考までにV6夏コンで剛健がカバーした曲「よる☆かぜ」も)

よる☆かぜ

よる☆かぜ

  • ケツメイシ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

ソロではなくカミセンとしてカバーしている中にRHYMESTER、RIP SLYME、ケツメイシ、KICK THE CAN CREW、という字面が並ぶ。これだけでもあの時代をほんのりと察することができそうな気がする。

同時期、2002年V6夏コンでも森田・三宅コンビでケツメイシの「よる⭐︎かぜ」をカバーしている。

ケツメイシに関しては森田さん三宅さんはコンビ曲としてもセレクトしていたり、かと思えば岡田さんが「ケツメイシの『トモダチ』を聴いて泣きそうになった」という話をラジオでしていたり。

一体だれ発信でカバーすることになったんだろう?なんて考えたりもしたのだがよくわからず、私の中ではなんとなく「3人とも好きなのかな…」と結論付けて終わったのだった。

 

 

また盛り上げ曲として2年に渡ってブルーハーツをカバー。

 【2001年】

終わらない歌

終わらない歌

  • THE BLUE HEARTS
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

リンダリンダ

リンダリンダ

  • THE BLUE HEARTS
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

 

 【2002年】

人にやさしく

人にやさしく

  • THE BLUE HEARTS
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

ブルーハーツの曲の中でも認知度の高かろうド定番の選曲、盛り上がらないわけがない。

 

「人にやさしく」の「僕はいつでも 歌を歌う時は マイクロフォンの中からガンバレって言っている 聞こえてほしい あなたにも ガンバレ!」という歌詞だけで永遠に頑張れるのではないかと思った。

 

現アラサーがブルーハーツ世代かと言われるとそうではないのだが(リンダリンダは私が1歳の頃にリリースされた曲なので当時の記憶が私にあったとしたらとんでもないロックガールである)解散以降も楽曲を耳にする機会は多い。

 

そしてカミセンが「人にやさしく」をカバーした2002年というのは、月9で同名ドラマ「人にやさしく」が放送された年でもある。

ドラマ中にはブルーハーツの楽曲がいくつも使用されそこも見どころのひとつであり、彼らの楽曲にも注目が集まったタイミングでもあったのではないか、と思う。

このドラマで一躍有名人となった子役の須賀健太くんも当時8歳だったのがいまや21歳の俳優さんだ。このドラマが大好きで号泣しながら見ていた私だってそりゃあアラサーにもなる。

ちなみに岡田さんが主演した「木更津キャッツアイ」はこのドラマと同クールでの放送だった。当時ぶっさんだった彼はいまや石田三成である。

 

また、この流れで並べておきたいのがBLANKEY JET CITYの「赤いタンバリン」。

【2002年】

赤いタンバリン

赤いタンバリン

  • BLANKEY JET CITY
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

BLANKEY JET CITYは90年代から2000年まで活動していたバンドなのだが、私はまったく知識がなくコンサートでカバーされたことではじめてCDをレンタルしに走った。

歌詞で何度も出てくる「赤いタンバリン」。好きな女の子がいて、彼女のことをなぜ好きなのかといえば赤いタンバリンを上手に撃つから、という「何それオシャレすぎるやろ…!」な歌詞は当時の私にとっては新鮮かつ衝撃的だった。

赤いタンバリン - BLANKEY JET CITY - 歌詞 : 歌ネット

 

 

そして各ソロの選曲は以下の通り。

森田さん・三宅さんは3年ともカバー曲、岡田さんは01年はV6の「I CAN」、02年03年はカバーだった。

 

【森田剛ソロ】

 2001年

最後の言い訳

最後の言い訳

  • 德永英明
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 (フル)徳永英明 / 最後の言い訳 - YouTube

ぜひフルのほうでサビを聴いていただきたい。

高音が最高に甘く、森田さんのキャラメルボイス好きにはたまらない仕上がりだった。1度聞くときっちり森田剛バージョンで耳に残るほどのインパクト。

私はいまだに「アレは最高だったなあ…」と思い返してうっとりできるという特技を持っている。

 

2002年

(ダンスのみ) 

#1 Crush

#1 Crush

  • Garbage
  • オルタナティブ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 POTATO(2003年1月号)によると「めちゃくちゃエロティックな雰囲気のソロダンスで会場のみんなを悩殺!?」とある。

 

2003年

Guilty

Guilty

  • EXILE
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

02年に引き続き私の脳裏にただただ「エロかった」という感想を残した。同タイトルがV6のシングルにもあるがこの年に歌ったのはEXILEのもの。歌詞もエロい。

Guilty - EXILE - 歌詞 : 歌ネット

 

 

【三宅健ソロ】

2001年

(ダンスのみ)

Sexy M.F.

Sexy M.F.

  • Prince & The New Power Generation
  • R&B/ソウル
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

白のタンクトップ×デニムというシンプルな衣装。このコンサートの数年前にも披露し再びソロとしてチョイスされた曲だったらしい。

腰つきをはじめとしてとにかくセクシーなフリだった。さっきからエロいエロいと連呼しているのでここはあえて「セクシー」だなんてかっちょいい感じで言い換えてみたが、中学生の私にとってはたぶん見てはいけないものの類だった。エロかった。よくわからないが「踊り子だ…」と思った。

  

2002年

My Cherie Amour

My Cherie Amour

  • スティーヴィー・ワンダー
  • ポップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

視聴ではお届けできないのが残念だが、冒頭の「らぁーらぁーらぁーー、らぁーらぁーらぁーー」がクセになる、三宅健ボイス炸裂な曲。

デビューからしばらくの三宅さんの歌声は特に母音が強い気がする。特に耳に残るのが伸ばす部分の「あ」なのでは…と思っているのだが、それを私の中で確固たるものにしたのがこの曲だったといっても過言ではない。

それくらい冒頭の「ららら」に衝撃を受け、未だに耳に残る。

 

2003年

Like I Love You

Like I Love You

  • ジャスティン・ティンバーレイク
  • ポップ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 (フル)Justin Timberlake - Like I Love You - YouTube

弓道着で登場、弓をひき風船を射ったあと早替えでカンフー着的な衣装に。からの激しいダンス…という三宅さんらしい演出かつジャニーズらしい演出とも言える。

 

 

 

 

岡田ソロ

2001年

「I CAN」/V6

 

2002年

Back at One

Back at One

  • ブライアン・マックナイト
  • R&B/ソウル
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

(フル)Brian McKnight - Back At One (Short Version) - YouTube

グランドピアノを使って弾き語りで。当時の私のレポによると「大人なムードでかっこよかった(ハート)」だそうだ。何も伝わってこない語彙力が悲しい。

 

 2003年

男前

男前

  • HY
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

前年とはまた打って変わった激しい曲。

男前 - HY - 歌詞 : 歌ネット

曲中の「飛べ」という歌詞に合わせて岡田さんからジャンプを要求される。私自身はどんな感じで跳べばいいのかイマイチ掴めず不完全燃焼となり、思わず苦笑いした記憶が残る。はじめて聴く曲で100点満点のジャンプは難しい。

 

 

 

 

ファン投票で選曲されたカミセンベストアルバム

2002年にはComing Centuryとしてのベストアルバムが発売になったのだが、その収録曲はファン投票によって選ばれた。

当時のカミセンの持ち歌はざっと20曲あまり。投票できるのは1人1曲ではなく、どうやら5曲選べたようなのだが記憶が定かではない。雑誌記事から情報を拾うとコンサート会場・ハガキ・インターネットで投票を受け付けた模様だ。

 

ツアー中だったため各会場での投票もあり途中経過もMC中に随時発表された。

私が参加した大阪公演では前公演・広島での集計が発表となり、その順位を頭をフル回転させて一生懸命記憶した覚えがある。

その結果はこうだった。

【広島公演での投票結果】

1位 silver bells

2位 HAVE A SUPER GOOD TIME

3位 Happy together!

4位 Wild Style

5位 Theme of Coming Century

6位 夏のかけら

7位 MISS YOU TONIGHT

8位 SPEEDER'S HIGH

9位 Ash to Ash

10位 Born to run

収録曲は8位まで。9位と10位は発表はされたが収録圏外となる。

 

順位発表の際に「三宅さんが自身で作詞した『WHAT’S COOL?』がランクインしていないことにいじける」というのがちょっとしたネタのようになっていた。

よりにもよってこのツアーの1曲目として歌われていた曲だったのだが結果は圏外。その結果に「1曲目にするんじゃなかったよぉー…」なんて拗ねていたのを思い出す。

 

そして最終結果はベストアルバムに収録されたとおりである。なお収録曲の順番と投票結果は異なっている。

Best of Coming Century~Together (CCCD)

【最終結果】

1位 silver bells

2位 HAVE A SUPER GOOD TIME

3位 Happy together!

4位 EVERY DAY

5位 夏のかけら

6位 Wild Style

7位 Theme of Coming Century

8位 SPEEDER'S HIGH

9位 WHAT'S COOL?

10位 僕の告白

 

この結果をふまえ、コンサートが始まった直後だった広島会場での結果と最終結果を比較してみる。

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 上位3曲強し。

「EVERY DAY」は大幅ランクアップで圏外から一気に4位へ。この当時「Happy together!」と「EVERY DAY」はまだ音源化されていなかったため票数が集まるのも頷ける。

投票可能な楽曲の中では「HAVE A SUPER GOOD TIME」が最新曲であり、ツアー名もそこからもじった「HAVE A SUPER GOOD LIVE」だった。

序盤でも最終結果でも不動の1位だった「silver bells」は2000年10月発売の「CHANGE  THE WORLD」のカップリングで、カミセンとしては初となるバラード曲だった。

silver bells - Coming Century - 歌詞 : 歌ネット

 

また三宅さんが圏外に嘆いていた「WHAT’S COOL?」がちゃっかり9位に入ってきているのも面白い。あともう一歩でベストアルバムに収録されたのに、という一番悔しい位置にいるあたり逆に空気を読んでいる気がして仕方がない。

 

この上位8曲に、小枝のCMでも使われていた松任谷由実さん作詞・作曲の「恋のシグナル」、完全な新曲扱いだった「Be with you」を加えた全10曲でお値段は2000円。学生には非常に有り難い価格設定であった。

  

 

「手紙〜未来」と「Be with you」

さてようやく本題である。

2002年のカミコン本編ラストはケツメイシの「手紙~未来」だったのだが、私はこの曲が好きだ。とにかく好きだ。

原曲も好きだがカミセンのカバーの仕方もとても好きだった。ステージ上のスクリーンにはしっかりと歌詞も映し出され、その歌詞がとても印象的だった。

 

手紙 〜未来 - ケツメイシ - 歌詞 : 歌ネット

 

「コンサートのラストが自身の曲ではない」ということは全くの想定外だった私は、当時てっきりカミセンの新曲かな?と思った。

調べるうちにケツメイシの楽曲であることを知り、歌詞カードを見ながら音源を散々聴いた。別に覚えなければいけないわけではないのに「手紙〜未来」と「よる☆かぜ」は全歌詞全メロディ覚えた。

そもそもケツメイシは3人でパートを分けて歌っている。それを1人で口ずさむとなると無理が生じてどう考えても息継ぎが足りず大変なことになる。が、それでもよく口ずさんでいた。

達成感はあるのだが「もしかしてこれって客観的に判断したらラップっていうか念仏みたいになってるのでは?」という悲しい考えに最近たどり着き、「自己満足なので念仏ラップになっていたとしてもまあいいじゃないか」ということにした。

とにもかくにもそんな経緯から、いまだに曲を聴いていると膨大な量の歌詞のほとんどがスルスルと出てくるのだからおそろしい。歌詞というか呪文というか、まあ念仏である。

 

この歌詞に登場する「俺」はもちろん自分のことだが、「君」も10年後の自分のこと。

つまり10年後の自分への手紙、という内容だ。

 

「未熟でも地道に、少しずつ前進しようと決意してもがく現在の自分」が、10年後「思い描く大人になることができているはずの自分」がいることを信じて書く手紙。

その内容は10代の私にもとても近い感性のようで、歌詞のフレーズごとにグサグサと刺さった。正直なところ刺さりすぎてちょっとしんどいな、と思うほど。浸りたい時に聞くにはとても良いのだが時と場合を間違うとネガティブな気持ちが襲い掛かってくる。

頑張っている人間の歌詞というのは、時に頑張っていない人間を冷たく突き放す。

 

そしてこの歌詞は、当時20代前半だったカミセンに重ねても見事にはまっていた。

スクリーンに歌詞を映し出していたことからもこのコンサートの世界観のシメはこの曲に込められたメッセージなのだろう。

 

俺の知らないもの あるだろうが

君の忘れてるもの あるだろうな

手紙は今読まなくていい

十年経つまでは胸の奥に

(「手紙〜未来」/ケツメイシ)

「今の自分」はこれからいろんな経験や知識を得る。でもその中で、「未来の自分」は「今の自分」が抱いている気持ちをきっと忘れていくだろう。

「今の自分」の所信表明であり、「未来の自分」がそれを忘れた時に思い出させるための手紙。

 

その絶妙な歌詞の絡み合い方に、私の涙腺はもれなく刺激された。

なかでも後半のたたみかけるような掛け合いで

「俺は走ってるのか 走り続けてるのか」

と、「未来の自分」に投げかけられる言葉たちには昔から表現し難いなんとも言えない感情を抱き続けている。

 

この先の前途多難も これまでの楽しみや我慢も

 

すべて知る君なら 俺の気持ちにまた

答えても耐えてもくれるだろ

 (「手紙〜未来」/ケツメイシ)

 

 

そこに感じるのは、ただ単に「明るい未来が待っているぜー!」というような夢見がちな楽観視ではなく、漠然とだが今後なんらかの苦難が待っていることを前提としたもの。そんなこれから訪れる困難をも背負っていく覚悟を持って進もうとする意志。

そしてその困難を「未来の自分」なら受け止めてくれるだろ、と軽口のように言う。

 

結局は自分への言葉なのだが、この距離感がなんとも言えない。

「俺は耐えてみせるよ」ではなく「君なら耐えてくれるだろ」とあっさり書くのがとても男性的な歌詞だな、と思う。

なんだか少し無責任なようにも捉えられるこの文面は、自分対自分のことでこう表現するのはどうなのかと思うのだが信頼関係ゆえに発せられる会話のようであたたかくもある。

まだ見たことない 未来で

勇敢に戦う 俺がいる

きっとそうだろ どうなの?

未来のみんなの 状況は!?

(「手紙〜未来」/ケツメイシ)

真面目な部分をあえて少しぼかして伝えるような、そんな距離感。歌詞の中に「!?」が付いていたりするところにもそれが現れているような気がする。

 

決意と覚悟。未来の自分への願いと信頼。そして、過ぎていく時間の中でゆっくりと忘れていってしまう純粋な「今」の感情。

この曲を聞く度にずっと抱き続けていた不思議な感情を紐解いてみたところ、どうやらそんな成分で形成されていたようである。

 

 

 

2002年カミコンの本編ラストがこの「手紙〜未来」。

翌2003年はというと、カミセンベストアルバムに新曲として収録された「Be with you」がその位置を担った。

それが私の中ではすごくしっくり来て、なるほどな、と素直に思ったのだった。

 

Be with you - Coming Century - 歌詞 : 歌ネット

 

02年の「手紙〜未来」は、言ってみれば自分の「内」へ向けた楽曲だ。お客さんに直接的な言葉で何かを伝えるものではない。

が、前へ進み続けるという意志が強くにじむ楽曲だったからこそ胸に響いた。その姿に感極まり、あるいは共感し、ああ明日からも頑張れそうだなあと思える。

 

一方で03年の「Be with you」は、当時メンバーも言っていたが「広い意味での感謝」の曲である。友達・家族・恋人…と、周りの人や取り巻く環境に感謝を伝えるような曲だ。

当然この曲を本編ラストに据える意味はといえば、月並みとも言えるが「ファンへの感謝」である。

 

こうして綴っていると全然違う毛色の曲だなと思うのだが、私の中では「手紙〜未来」と「Be with you」は同じ箱にしまうべき楽曲のように解釈している。

若人特有の、あの将来の見えない感じ。息苦しさを感じてもその中でどうにか自分を奮い立たせなければいけないしんどさ。不安な気持ちになってみたり漠然と途方にくれてみたり。理由はといえば特になかったりするのだから始末が悪い。でも後から振り返るとそんな時期がなんだか貴重だったような気もして、忘れてはいけないことのように思えたりもして。

  

果てない程続く 未知への道

数えきれない人と すれ違って 出会いを導く

それは必然と思える 時空超え過去さえ超えて

笑顔をちょっと忘れ 孤独感じても

そうさ近くにいつも みんながいる

大事にしたい 今の気持ちをずっと…

(「Be with you」/Coming Century)

 

「今」の気持ちというものは、とても貴重なものだ。感情はとても移ろいやすくて、それは瞬時にして失われてしまったり、時間と共に薄れていつか無くしてしまったり。

今この瞬間に思っていることは次の瞬間にはもう「今」ではなくなる。その積み重ねで生きていく中で、果たしてどれだけ未来の自分に「今」を残していけるんだろうな、とよく考える。

 

今現在でいえばそれはこうしてブログを書くことにもつながっているし、たまに引っ張り出してくる日記たちもそうだ。記録するのはいつだって、将来それを読む自分に「今」を伝えるためだ。

 

そんな考え方の根本を築く一因としてこの2曲の存在は大きかったのだなあと、2016年の今、14年越しにあらためて自分の感情を追求してみてようやくたどり着いたのだった。

 

しかしながら、今改めて「Be with you」の歌詞を読んでいると「め、めっちゃアイドルや…!」と恐れおののく。そもそもタイトルからしてその要素が溢れ出ていると思うのだが。

今でこそあの頃のカミセンを見て「とてもアイドルだ…!!!」と思うが、当時の私はそこまで彼らをアイドルらしいアイドルとして認識していなかった。

今になって思えば…ということなんて山ほどあったりするのだから、やっぱりあの頃の私はなかなか盲目な奴だったのだろうなと痛感する。

 

今だからこそ昔を振り返って「これが後にこうなるんだよなあ…」なんて思いを馳せたりもできる。たとえば、10年前の姿と今の姿を並べ、「これが…こうなるんだぜ…」と気持ちを昂ぶらせ感傷に浸ってみたりもできてしまうのだ。

まさか森田さんが舞台方面のお仕事に心血をそそいでいくことになるなんて、まさか三宅さんが手話を学びそれが後の大役につながっていくなんて、まさか岡田さんが日本アカデミー賞を受賞する俳優になっていくなんて、当時まだ誰も知らない。それはきっとご本人にとっても、なのだろう。

 

進んで行く先がまったく予見できない若さがあったからこそ放たれるような、まるで「怖いもの知らず」のようにも感じる絶対的なアイドル感があの時代にはあったような気がする。

でもそれを俯瞰で見て尊さを感じることが出来るようになるのはずっとずっと後のお話で、それが現在でいうところの「今」である。

 

あの当時の「今」は私にとってはもう過去になってしまった。

「手紙〜未来」の歌詞で言うなら「今」の自分の立ち位置ではなく「未来」の自分の立ち位置のほうに共感するような、そんなところに立っているのだ。

 

 

 

ただ「『手紙〜未来』のことを書きたいなあ」と思っただけだったのだが、気づけば「2001年〜2003年に見たカミセンは私の中でとても"Coming Century"だったなあ」というちょっと大きめな話になってしまった。

これ以上話を広げると手に負えなくなりそうなので今回言及するのはひとまずここまで。

 

思い返せば思い返すほど、なぜあの3年間のカミコンを映像化してくれなかったのか…といつまでも悔やむ私がいるのだった。