先日コンサートスタッフさんのお仕事についての記事を書いた。
その後ブログ内で言及させていただいた記事を書かれたぴぴボーダーさん(id:rrpp)からご連絡をいただき、今回ありがたくもお仕事について質問する機会をいただいた。
記事について、またぴぴボーダーさんについては前回も貼らせていただいたこちら参照。
前回の記事を書く際にもスタッフさんについていろいろと調べたのだが、その中でさらに気になったこともあった。
答えが見つからないものも当然あったわけで、「聞けば答えてくれる」という今回の機会がもうどれほど貴重なことか。ご厚意に甘えさせていただき、ど素人目線からコンサートスタッフさんのお仕事について質問させていただいた。
まぁまぁアホっぽい質問もあるが、そのあたりは残念な人だな…と思って生暖かく見ていただきたい。
自分でもあらためて読み返してみて、「これはなかなか馬鹿馬鹿しいことを聞いているなあ…」と質問のつたなさにガックリきた。
お答えいただいたぴぴボーダーさんの懐の深さに注目である。
目次
- 目次
- アルバイトのスタッフさんは何人? 男女比は?
- 拘束時間とタイムスケジュールについて
- 公演日の何日前に仕事に入ることが決まる?
- 仕事内容の振り分けはいつ決まる?
- 身だしなみについては厳しい?
- 私の中の「もぎりのお姉さん可愛い説」
- もぎってもらう側のテクニック「ミシン目で折る」
- 紙チケットとデジタルチケット、どっちが楽?
- もぎる時に座席まで見ている?
- MCで思わず笑っちゃうことってある?
- 「密録」に関する話
- 余った銀テープは捨てられる?
- 銀テープの量って一定?
- 事前に「ここのファンは危ない」などのお達しはある?
- 怖かったエピソード
- 嬉しかったエピソード
- お客さん側からスタッフさんに配慮できることは?
アルバイトのスタッフさんは何人? 男女比は?
まずはお仕事内容に関する素朴な疑問シリーズ。
インターネットでスタッフさんについて調べると真っ先に出てくるのが、こういった「コンサートのアルバイトをしたいけどどんな仕事なの?」というものである。
Q.コンサートスタッフのアルバイトさんは何人くらいいらっしゃるのでしょうか?(連日公演がある場合は数日間通して同じスタッフさんなのでしょうか?)
コンサートスタッフのアルバイトの人数は、会場の大きさやアーティストの方によってバラバラです。
ですが、チケットもぎりは何人、警備は何人、荷物チェックは何人と全て細かく決まってあるので、必要なアルバイトの人数を募集しているというかんじです。
なので仕事が余るという方はいません。
前の記事にも書きましたが、コンサートをするにあたって人件費が1番費用がかかってしまうと専属のスタッフの方がおっしゃっていました。なので、きっちり必要な人数を考えてアルバイトを募集していると思います。
それから男女比ですが、圧倒的に男性が多いです。やはりコンサートの解体作業はほとんど男性がするので仕方がないのかなとは思います。特にジャニーズのアルバイトは女性が少ない気がします! 連日公演の場合は、通しでアルバイトに出てくださいと言われます。なので、連日出れる人から決まっていくというような形です。
人気のアーティストだとすぐ埋まってしまいます!
拘束時間とタイムスケジュールについて
Q.1回のバイトで拘束時間はどれくらいでしょうか? タイムスケジュールは?
私の場合の拘束時間は、かなりの長さです。
開場の5〜8時間前くらいに集められます。そこから説明を聞くのですが、その説明が終わったら待機時間なので、1人でアルバイトに参加している方は本当に暇な時間だと思います(笑)
タイムスケジュール的には、集合時間に集まる⇒コンサートの基本的な説明、各スタッフからの説明を聞く⇒待機時間⇒各仕事につく⇒休憩⇒また次の仕事につくというようなかんじです。すごいざっくりですがこのような流れです。
1日がかりのお仕事だ。
公演日の何日前に仕事に入ることが決まる?
Q.コンサート当日の何日前くらいにバイトに入ることが決まるのでしょうか?
基本的に自らアルバイトに応募する際は、1ヵ月~2週間前くらいです。
仕事内容の振り分けはいつ決まる?
Q.どの仕事を振り分けられるかは当日その場で決まるのでしょうか?
仕事は当日に振り分けられます!
身だしなみについては厳しい?
この質問させていただいた理由はというと、インターネット上で「スタッフは控えめな格好をしてファンから目をつけられないようにしなければいけない(特にジャニーズの物販スタッフ)」というような話を見かけたからである。
えっそんなしきたりあったん…?と純粋に疑問を抱いたので、これについても質問させていただいた。
言われてみれば確かに、素朴な方が多いような気がしなくもない。少なくともヤンキーには全力でビビっていくスタイルの私が「おお…」とひるむようなタイプの方には出くわしたことがない。
Q.身だしなみなどの指定は厳しいのでしょうか?
身だしなみの指定はあります。
ですが、髪色が明るかったりスーツ指定なのにスーツを着てない方がいてもその場で怒られたりということはありません。ただ単に、お客さんの目に入る位置の仕事が振り当てられません。
やはりスタッフとしての仕事なので、身だしなみなどはきちんとしている方がいいですね(><)
なるほど、納得である。
私の中の「もぎりのお姉さん可愛い説」
Q.個人的に場内案内やもぎりのお姉さんは可愛い方が多いな〜と思っていてひそかに憧れているのですが(笑)、配置を振り分ける際にそういうところは影響するのでしょうか?
これはもう完全に私の主観による質問である。
スタッフさんがお客さんを見ているように私もスタッフさんを見る。
昔からこっそりと「もぎりのお姉さんって可愛い率高くない?」と思っていたのだ。これについても質問させていただいた。
可愛い方が多いですかね?(笑)そういう基準は多分ないと思いますが、チケットもぎりは女性が振り当てられているイメージですね。
すごくアホっぽい質問にお答えくださったぴぴボーダーさんの優しさ。
もぎってもらう側のテクニック「ミシン目で折る」
私は「チケットの半券コレクター」を自称したいくらいにはチケットの半券が好きだ。半券フェチといってもいいかもしれない。
コンサートやライブから帰宅して愛用のファイルに半券を収める作業が好きで、そこに半券をしまってようやくクリアしたというか「現場に行く」を達成したような気持ちになる。
ちなみに私は百均で買ったフォトアルバムを使って整理している。
こんな感じである。時系列で収めると自分の足跡を見るようで楽しい。
で、そんな半券コレクターとしては「チケットをいかに綺麗にもぎってもらうか」は大事なことなのだ。
過去にもぎってもらったものを見ているとこんなものもある。
どうしてこうなった。ミシン目の存在意義とは。
まったくミシン目をなぞっていないこの切り方は新しく、面白いので逆にこの状態で保管している。
この場合はまだいいが逆に手元に残る側をえぐられていたとしたら私は大変かなしい。
この「ミシン目ガン無視もぎり事件」の後しばらくして、友人から「ミシン目で一回折っておくと綺麗にもぎってもらえる」というアドバイスをもらった。
それ以降はもうずっと、長い間ミシン目で折ってきたのでもうクセになっている。
だがこれが果たして「もぎる側」、スタッフさんからはどう感じられるのか気になっていた。
果たして"折る"のは有効なのだろうか?
Q.「チケットの切り取り部分を一度折ってから広げておくとキレイにもぎってもらえるから折っておいたほうがいいよ!」と友人に教えられて以来毎回折っているのですが、どうなんでしょう?
また「チケットを切ってもらう際にこうしておいてもらえるとやりやすいよ〜」というようなテクニックなどありましたら教えてほしいです。
それは、そのとおりです(*˘˘*)
折り目がついているのと、ついていないのでは全く違うので折り目をつけてくれることは嬉しいことです。
テクニックとは違うかもしれませんが、チケットを何枚もつなげたままチケットを出す方がいるので、やはり1枚ずつ出してくれるとスムーズに進みます。
ということで、お墨付きをいただいた。
チケットは差し出す前にぜひミシン目で一度折っておきましょう。
さもなくば、
こうなるから。
またチケットを連番で取っているとチケットがつながった状態で手元に来るので、くれぐれも1枚ずつ切り離してから半券をもぎってもらいましょう。
これはきっと郵送で届いたものを封筒に入れたまま管理するタイプの方なのではないだろうかと推測する。
紙チケットとデジタルチケット、どっちが楽?
最近増えつつある新しいシステム、デジタルチケット。
私はまだ2回しかこの形式のライブに出くわしたことがないのだが、今後増えて行くかもしれないこのシステムについても理解しておかなければいけないなぁと思う。
ぴぴボーダーさんが書かれたこの記事も興味深く読ませていただいた。
個人的には先ほども述べた通り「半券コレクター」なので紙チケットのほうが好きだ。
6月に行ったPerfumeのツアーでは、事前に届くのは「チケット引換券」という名目のものだった。
当日入り口でその引換券を係員の方に渡して記載されたコードを専用の機械で読み取ってもらう。すると座席が印刷されたレシートのようなものが発券されて、そこで初めて自分がどの座席か判明する。
ようするに事前に席がわかっていると転売につながるため、それを防止するための策だろう。
が、事前にどこの席かわからないということはドキドキ感も高まる。私のような小物からするととっても心臓に悪い。
そして「レシート的なそれ」を新たにいただくよりはやっぱり「チケット」として1枚で保管しておきたいなあとチケットをファイルに収めながら思った。
そんなデジタルチケットと紙チケット、スタッフさん目線ではどちらがいいのか聞いてみた。
Q.スタッフさんから見て紙チケットとデジタルチケットどちらのほうが扱いやすいのでしょうか?
正直にいうと紙の方が楽です!
理由としてやはりデジタルチケットだと、チケットが出てくる機械の操作、エラーが出た時などいろいろな対応を覚えないといけないからです。
そして、初めてデジタルチケットを扱うとなるとテンパってしまう方も多いです。
慣れてしまうと楽ですが、事務所によっても扱う機械が違ったりと対応の仕方も違うので、会場の前に練習をさせられたりもあります(笑)
私たちにもまだまだ浸透しきっていないデジタルチケット、スタッフさんにとってもやはりまだ浸透しきってはいないのだ。
当たり前といえば当たり前なのだが、今回お答えいただいてそんな当たり前の部分に改めて気付いた。しかもひとくちに「デジタルチケット」と言うが、各機械によって操作や対応の仕方が違うとなるとなおさらである。
私自身先日デジタルチケットを使った際にも内心とまどいまくっていたが、もしかすると対応してくださる方もまだまだとまどいの範疇にいらっしゃるのかもしれない。
もぎる時に座席まで見ている?
ここからはど素人目線のくだらない素朴な疑問を2つほど。
聞いてはみたいもののあらためて聞くほどのものか?と思うような、しょ〜もない質問までぶつけさせていただいた。
Q.もぎる時に版面を見て「うわあ良い席!」なんて思ったりするのでしょうか?
人の流れにもよりますが、2日続けての公演や1日2公演などのときは日付・場所を間違えないように見ないといけないため、あまり席は見ていないのが本音です。
ですが、人の流れが少ないときなどは、席を見たりすることはあります。
あ!この人すごい良い席だ!と思うこともあります(^^)
MCで思わず笑っちゃうことってある?
Q.MC中に思わず笑ってしまう時はありますか?あまり笑っていると怒られるのでしょうか?
MC中に笑ってしまうことはあります!アーティストによっては、こんなこと話すんだ!MCおもしろい!など思います。私だけかもしれませんが(笑)
ですが、コンサート自体がっつり見ることはあまりよろしくないのでそっと笑ったりすることが大切ですね!(笑)
「密録」に関する話
以前、いわゆる「密録」していた方がスタッフさんに連れて行かれるのを真横で目撃したことがある。あの体験はなかなか衝撃的だった。
私がそれに出くわしたのはエイベックスが主宰するフェス「a-nation」で、まだメンバーが5人体制だった頃の東方神起の出番の時だった。
ステージではヒット曲の「Suviver」を彼らが歌っていて、その曲の最中にスタッフさんがやってきて私の隣席の方に声をかけた。
会話はよく聞き取れなかったがどうやら録画をしていたようで、そのまま連行されていった。
SuviverをBGMに連行される姿に動揺しつつも私は「ヤツこそ今この会場で一番のSuviverなのではないか」「マジでSuviverやん…」と、上手いんだか上手くないんだかよくわからないツッコミを心の中で炸裂させてしまった。
ステージ上では東方神起が「誰もがSuviver」と歌っている。
マジや。
誰もがっていうかまず隣がSuviverや。
もうこうなってくると気になって仕方がない。
決して笑っていい場面ではないのだがもとより笑い上戸な私である、えらいものを見てしまった、という感情のあとにじわじわ押し寄せてきたのは「なにこの状況?」という笑いであった。
もちろんステージでは東方神起が歌って踊り続けている。「こんなリアルサバイバーに気を取られている場合ではない、ステージを見ろ!!」と自分を奮い立たせたものの、やはりヤツの残したインパクトは凄かった。
もちろんその後ヤツが席に戻ってくることはなかった。
この事件は「密録サバイバー事件」として、あくまで私の中だけだが稀に見る大事件として史上に残った。
こんなにかっこいい曲の途中で退席するとか本当にありえない。
ちなみにヤツがコトをしでかしていた時、私はまったくそんな素振りには気づかなかった。もう記憶もおぼろげだが、頭だか首だったかに大判のタオルをかけていてその中にブツを仕込んでいたようだった。
そんな事件に一度出くわしたことがあるので、これもどういう体制で取り締まっているのか気になっていたのだ。
Q.一度隣席の方がライブを違法に撮影していたらしく、途中でスタッフさんに連行されていったことがあったのですが、そういうものも見張り担当の方がいらっしゃるのでしょうか?またご自身がそういったところに出くわしたことはありますか?
見張りの仕事はあります。ですが、見張りをするのは主にアーティストにつく専属のスタッフさんです。かなり強面のスーツを着たおじさんが目を凝らしているイメージですね。
アルバイトがそのような仕事をするのはあまり無いかもしれません。
ですが、コンサート終了後に写真撮影止めてくださいというプラカードを持ってうろうろすることはあります。
1度ありました。韓国のアーティストのLIVEでしたが、コンサート中に専属のスタッフの方に連れ出されていました。盗撮していたようで、かなり怒られていましたよ。
まさかの「韓国アーティスト」という点で一致してしまい、とにかく驚いた。
なかなかコンサート・ライブ中にどんな方が客席を見張っているかを観察する余裕まではないので、とても興味深い回答である。
コンサートスタッフさんのやるべきお仕事はその空間を万全に進行するためのものであり、密録が世に出て困るのは所属事務所・所属レコード会社だ。
そう考えると確かにそこを取り締まるのが専属のスタッフさんであることもうなづける。
余った銀テープは捨てられる?
銀テープ事情についての質問もいくつか投げかけさせていただいた。
Q.「余った銀テープは処分される」とよく聞きますが、実際に余った銀テープは捨てられるのでしょうか?
余った銀テープは処分されます。
正直に言うと、銀テープが放出されて会場内に残っているものは終演後にはゴミ扱いになります。。。。なので、なんとも言えない気持ちになります(´・ ・`)
銀テープの量って一定?
Q.銀テープの量はどのアーティスト・どんな公演内容でも一定なのでしょうか?
アーティストによってバラバラです。
ですが、あるアーティストの方が最終公演に近く「落下物が余っているからいっぱい出しちゃった!」とアーティスト自体が話していることがありました。
そのときの落下物の量は異常でしたね(笑)
落下物の量についても気になっていたのだがやはり差があるとのこと。
余っているからいっぱい出しちゃった!というエピソードは可愛らしくてほっこりしてしまった。
きっと舞台裏でそのアーティストさんが専門スタッフさんと「今日は落下物余ってるのでいっぱい出しますんで!」というような会話をしたんだろうな、と想像すると楽しい。
スタッフさんの目から見て「異常」ということは相当な量だったのだろう。きっと対処が大変だったと思うのだが、ファン目線で考えるとどうしても「なにそれすごく楽しそう…!」とワクワクしてしまう。
事前に「ここのファンは危ない」などのお達しはある?
Q.事前に「このアーティストのファンは危ないから」というようなお達しなどはあるのでしょうか?
一応あります。バンドだとスタンディングなので、危ないファンがいる!とか!
そしてジャニーズのときも言われることはあります。
危ないというより、銀テープの対応や、席移動をする方がいないかをよく見ろとは言われます。。。
怖かったエピソード
Q.これは怖かった!というようなエピソードはありますか?
怖かったことは、たくさんありますね。(笑)
最近で言うとジャニーズのあるグループで、銀テープが出た際のことです。
比較的若いファンの方が多いせいか、銀テープが出た途端に席移動する人の多さ、スタッフに向かって走って来る人、注意をしても聞かない人、しまいには終演後に外周に落ちている銀テープを自撮り棒、傘で取る方などもいて、恐ろしいなと思いました、、、、
そのような行動をとることで、そのアイドルのイメージが本当に悪くなるということを自覚してほしいです。
自撮り棒はいつから「銀テープ取り棒」になったのか。
想像すると単純に相当危ないように思う。
外周というのはその言葉の通り、アリーナ規模以上の会場でスタンド席前をぐるりと囲むようにある花道・通路のことである。
スタンド席にぴったりくっついて設置されることもあれば少し空間が空いている場合もある。
空間がある場合、スタンド1列目から見るとよくわかるのだがとにかく危ない。
身を乗り出せば落ちる可能性があるのは一目瞭然で、怪我をするくらいには高さがある。
柵もついていないその外周を全力で走り抜けるアイドルたちってなんて怖いもの知らずなんだ…!というのが、実際に会場で設置されている外周・花道を見た時の感想だった。
そんな高さのあるところで自撮り棒や傘を使ってでも銀テープを拾おうとする方の様子を想像してみると、なかなかゾッとした。
もはやこうなってくると銀テープって一体なんなんだ?という気持ちになる。
銀テープがなんぼのもんじゃいというか、銀テープを得ることで私たちは何を得ているのだろう。
降ってきたらラッキー、降ってこなかったらハイ残念でした、そういうものではなかったのだろうか。果たして席移動してまで欲しいものだったろうか。
年々過熱する落ち物争奪戦の行き着く先とは一体どこなんだろう。
凝った銀テープを生み出すことがこんなモンスターを生み出すのであれば、最終的には昔は定番だった「印刷も何もない無機質なただの銀テープ」に戻されかねない気がしている。
アーティストによっては降ってきた銀テープをスタッフさんが配って行き渡らせてくれることもあるが、ぴぴボーダーさんの勤め先の場合だとジャニーズのコンサートの際にはそれが無いそうだ。
なぜジャニーズに限りそれが無いのか。
それはきっと、"やってくれない"のではなくて"できない"に近いのだろう。
マナー違反のツケはこういう部分で回ってくる。
そして銀テープがもらえない→マナー違反してでも取るしかない→マナー違反をする→係員が注意してもラチがあかない→銀テープを配ると収拾がつかないので配らない→銀テープがもらえない→マナー違反する→…の負のループだ。
さきほどの回答でも「会場残った銀テープはゴミ扱いになる」とあった。
となると「ゴミになるんだったら欲しい人にくれればいいじゃん!」と思われる方もいるかもしれない。が、この負のループがある限りそれは実現されないだろう。
またジャニーズのコンサートは花道が多いため、どうしても銀テープの一部がそこに残る。かといってそれをどうにかして行き渡らせられるほどのすべは現状では無い。
かなしいことに、ファンが取る行動は間接的にそのアイドル・アーティストの評価にもつながってしまう。
スタッフさん間で「あの人たちのファンっておそろしい」、そんな印象がつくのは残念でならない。
そんなかなしいエピソードで終わってしまうのはしのびないので、最後にほっこりするエピソードとお客として私たちができることについての質問を。
嬉しかったエピソード
Q.逆にこれは嬉しかった!というようなエピソードはありますか?
嬉しかったことも多くありますね(^^)
県外のお客さんで、初めて行くコンサート会場の方の席案内したときのことです。
私が案内をすると何度も「ありがとう!ありがとね!ここの場所最高ね!スタッフさんも!(笑)」と笑顔で言われました(笑)
席を案内する際にお客さんと話すことが多く、やはりありがとうと言われると嬉しいものです。
お客さん側からスタッフさんに配慮できることは?
Q.お客さんがコンサートに行く時に「こんなことをしてくれてると助かるなあ、嬉しいなあ」というような"お客さん側からスタッフさんに配慮できるようなこと"はありますか?
やはり終演後には、さっと会場外に出ていただくことですかね。
それから、開演ぎりぎりに来て慌てるよりは少し余裕をもって行動するほうがいいですね。
ぎりぎりに来て荷物チェックなどをするときに「早く!早くしてよ!」などを言う方もいるので、、、、(笑)
そして1日2公演などのときは、前半のお客さんを客出ししてすぐ後半のお客さんの会場準備をするので、トイレなどをすぐ閉め切ってしまうこともあります。
その時に「なんで使えないの!!!」と文句をいう方もいるので、それは考慮してほしいですね
コンサート・ライブを楽しむお客のひとりとして、どこのどなたが発したかわからないが暴言の数々を恥じる。
お客だからといってどんなクレームをつけてもいいわけではない。
本人は必死なのかもしれないが、こうしてきちんと文章で読むと遅く来たのはご自身であるのに「早くしてよ!」は、正直かなり笑えてしまう。
いやいや、おいおい、周りからみると内心総ツッコミ&総ドン引きだろう。
遅れるのは自分の都合、しっかり荷物チェックをするのはスタッフさんにとって正当な業務の一環である。冷静な目から見るといかに自己中心的なクレーマーがおもしろおかしい愉快な人に見えてしまうのか、ということが簡単に想像できてしまう回答だった。
今回本当にたくさんの質問をさせていただいたにも関わらず1つ1つ丁寧に対応していただいたぴぴボーダーさんには本当に感謝するばかりである。
やはりお仕事の詳細事項についてSNS等にあげるのは固く禁止されているそうでそのあたりは上手くぼかしながら答えてくださったのだが、それでもど素人丸出しの私からすると本当に貴重なお話ばかりだった。
そもそも「スタッフさんは一体どんなふうに考えながらお仕事をしているんだろう?」という部分は私にとっては昔からの疑問だったので、今回いろんな考えが聞けたことで以前よりもぐっとスタッフさんを身近に感じられるようになった気がしている。
私たちが見に行くのは「コンサート・ライブ」だが、実際にはそのステージを見るまでの過程であったり、終演後の出来事がのちに自分の思い出の一部として大きく残ることも多い。「あのコンサートを見た日、そういえばこんなことがあったな」と思い出すことも多く、本当にささいなことが強く残ったりする。
「自分 対 アーティスト」の気分になり、「○○を見に行く」という気持ちでいっぱいになりがちで、ついついそこに至るまでのアレコレやそれが終わってからのアレコレはないがしろにしてしまう。
でもその部分で確実に、グッズを買ったり、チケットを切ってもらったり、座席へ案内してもらったりとスタッフさんにお世話になる機会は発生する。
コンサート直前・直後に気持ちが高ぶってしまうのは仕方がないとして、でもそんな時にほんの少し、お仕事をしている方に配慮ができるような大人でありたいなと思う。
お客としてできることは第一にマナーを守ることだ。
ステージ上のパフォーマンスを楽しむのはもちろんだが、自分だけでなくあの場全体の空気が良いものになるようなそんな姿勢で今後も臨みたい。
自分がよければなんでもいい、そんな姿勢でマナー違反をしでかす愉快な人が増えないことを願うばかりである。