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Perfumeに限界は訪れるのか 〜年齢と「女性アイドル」の期限〜


4月にPerfumeのニューアルバム「COSMIC EXPLORER」が発売されてもうすぐ3ヶ月が経つ。

COSMIC EXPLORER

COSMIC EXPLORER

 

アルバムの発売にあたり特別プログラムが放送されたり、各雑誌にもいろいろとインタビューが掲載された。

 

世間へ向けての露出は少し落ち着いている今日この頃ではあるが、現在彼女たちはアルバムを引っさげて国内ツアーを開催中で、私もようやく明日そのステージを体感してくる。

国内ツアーが終われば次はそのアルバムを引っさげてアメリカへ。北米ツアーを開催し、秋には国内3カ所のドームで追加公演も決まった。

 

アルバム発売に絡んだメディア露出の中で、私がいちばん印象に残ったのはのっちがインタビューで語ったこの言葉だった。

 

「ここまでいろんな人生のルートがあったけど、その中でPerfumeとして生きる道を選んできて、今、27歳の私はここにいるけど、小さいときの私は、若いお母さんになって、子供の授業参観に行きたかったよな、って」

ー女としての夢が。

「そうそうそう。今から頑張って婚活しても、たぶん授業参観に行く私は若いお母さんじゃない(笑)。そういう人生の選択肢はもうないんだなって思ったら、凄く寂しくなったんです。でもその選択肢がない分、またいろんな選択肢が増えたんだなって、今は思っていて」

(「音楽と人」2016年5月号)

音楽と人 2016年 05 月号 [雑誌]

音楽と人 2016年 05 月号 [雑誌]

 

 

 

インタビュー全体を通して読んでみるととても前向きな内容なのだが、私にはこの部分がぐっさりと刺さった。

 

アイドルを選ばなかったら…というのは「Perfumeののっち」ならではの悩みだ。

でも、

「もし今と違う道を進んでいたら、どうなっていたのだろう?」。

今と違った世界線を歩む自分を想像する、そんな瞬間は誰にでもある。

 

「そういう人生の選択肢はもうないんだなって思ったら、凄く寂しくなったんです。」という発言はこの年代になると抱きがちなものだ。 

軌道修正してたどり着くことができそうな「もしもの話」は希望がある。

でも、今の年齢からだとどう足掻いてもたどり着くことができない「もしも」は、とても寂しい。

20代の後半になるとそんな「寂しくなるもしもシリーズ」が増えてくるのだ。悲しいことに。

 

それがのっちの話でいうところの「若いお母さんになって子供の授業参観に行く」。

お母さんにはこれからだって十分なれる。

でも、「若いお母さん」にはもうなれない。

 

アラサーである私にとってはこの話題は年齢的にもぐっさりと来たのだけれど、それ以上にこの「世間一般の27歳が抱く、いたって平凡な憂い」を「Perfumeののっちが語った」というのはなかなか衝撃的で、改めて考えてしまった。

 

アイドルだって1人の人間である。

そして時間には限りがあって、それはアイドルだって一般人だって同じだ。

「1つの道を選ぶこと」は「別の道を捨てること」なのだから。

 

 

目次

 

 

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「アイドル」に期限はあるのか?

Perfumeが「チョコレイト・ディスコ」や「ポリリズム」で世間に認知され始めた2007年、彼女達はまだ10代だった。

あの時点で今現在の「27歳になったPerfume」を想像できた人間がいただろうか。

のっち

「中学生ぐらいの、ほんとに上京したてぐらいの時は、こんなに続くと思ってなかったんで、大学生っていうものがすごい大人に見えてて、その頃には髪の毛ロングにしてるのかな、みたいに想像してて」

ーそれはPerfumeが続くかわからなかったからですよね?

「はい。本当に続けていきたいと思ってるし、解散とかまったく、Perfumeが終わるだろうなとは思ってないんだけど、なんとなくこう、そこまで行ってないんだろうな、みたいなふうに思ってたのか、大学生になったら髪伸ばそうって思ってて。」

(「ROCKIN' ON JAPAN」平成28年4月30日発行)

Perfumeは外見的なそれぞれの特徴をずっと保ってきた。

その1つが髪型で、のっちはずっとショートヘアを維持している。

大学生になったら髪を伸ばそう、そう漠然と考えていたことからも10代半ばののっちの中には「27歳になってもPerfumeでいる」という未来は想像出来る範疇にはなかったのだろう。

 

順風満帆に歩んできたわけではなかった彼女達は、活躍しはじめてからも足場がいつ崩れるかという不安も常に抱いていたように見えた。それが謙虚な姿勢にもつながって、もはやそれは彼女たちのキャラクターを語るのに外せない姿でもある。

不安定な芸能界の中で、一発屋で終わるか否か。その危機感は彼女達が一番感じていたのではないか。

ご存知の通りそこからPerfumeはステップアップとジャンプアップを積み重ねながら今日の活躍にいたっている。

 

アイドルという存在は私の中で長い間、「いつか無くなってしまうもの」という位置付けだった。

加齢によって失われていく若さと、ピークを過ぎて少しずつ下降していく人気と。

そしてその先にいずれ待ち構えているであろう「解散」や「引退」。

そこにおそろしさを感じながら愛でる対象だと思っていた。

 

最近になってようやく「アイドルにリミットはないのかも?」と思い始めた。

アイドル、特にアイドルグループの寿命は格段に延びた。

大好きなアイドルがいる身としては良い時代になったなあとも思う。

 

しかしながら女性アイドルが、アイドルとして長く活動していくことは男性アイドルのそれとは比べものにならないほど難しい。

そこにはパフォーマンスとしての体力的な若さと共に外見的な可愛らしさ・若さがより一層求められるからだ。

 

 

長く続いているグループのほとんどはメンバーがどんどん入れ替わっていくかたちをとっている。

もはやアイドルグループは「唯一無二である人物の集合体」という概念だけではなくなってきた。

 

例えば、誰かがいなくなってもグループそのものは無くならない。

この子がいなければならないなんてことはなく、その「様式」が継承されていく。

 

特定の人物だからこそ成り立つパフォーマンスやその人間模様でアイドルグループを成立させるのではなく、「スタイル」としてのグループを成立させる。そしてそれを次の世代と継承していく。

箱は同じで中身は少しずつ変わっていくような感じだろうか。

 

そんな形が生まれたのも時代に合ったプロデュースを追求した結果なのかなあと思う。

 

話が逸れたが、Perfumeはというとその類のアイドルではない。

メンバー3人と、いわゆる「チームPerfume」と呼ばれる彼女たちを支えるスタッフが絶妙なバランスで作り上げる世界はけっして他の誰かにはできないことだ。

 

だからこそ私はその完璧なPerfumeの姿に、「いつかは見られなくなるものなんだ…」という切なさを常に抱えてきた気がする。

 

Perfumeの活動状況に特に危機感を抱いているわけでもない。安定した活動状況とその活躍ぶりに、もう流行り廃りに振り回されることはないのだろうな、という安心感すら抱いている。

 

それでもそれとは別の次元で、「年齢」という概念でアイドルを見た時には、どうしてもこんな感情を抱いてしまうのだ。

あと何年見られるんだろう、と。

 

過ぎていく時間はあっという間で、Perfumeの姿を通して感じる「1年」は短い。

でもそれを何度も何度も繰り返してきて今の彼女たちは27歳。今年度の誕生日を迎えれば3人とも28歳になる。

アラサーの域に入ってきていることがいまだに信じられない。

 

若さを失ってしまえば「Perfume」は無くなってしまうのだろうか?

これは私がここ数年ずっと抱いてきた不安である。

 

 

年齢と共に進化するアイドル

彼女達の振り付けを担当するMIKIKO先生はこう語る。

「日本はまだ、女の人が若さを失うことはマイナスだという世の中ですよね。でも本当はそうじゃなくて、年を重ねることは楽しくて、自分自身の財産が増えていくということ。表現にだって幅ができていきます。年相応がすてきで肯定したいことだというメッセージは、Perfumeのパフォーマンスを通して、伝えていきたいことの一つです」

(「装苑」2016年5月号より)

装苑 2016年 05月号 [雑誌]

装苑 2016年 05月号 [雑誌]

 

 

年を重ねるアイドルを、同じ状態で維持するのではなく「年相応」をまとわせていく。

そんな意思を持ちながらMIKIKO先生はダンスを変化させてきている。

 

高校生、大学生の頃はなるべく直線的に、ラインを出さない振付けを心がけていたのですが、今は、3人の変化に合わせて品のいい曲線のラインも加えての表現を追求していますね。

 

これからも、彼女たちの年齢に応じて、その時がいちばん輝く見せ方を作っていけたらいいなと思っています。それは例えば、かわいさであったり女の子であること、性別を売りにしない表現ということ。それが、3人の自信にもつながっていってほしい。

(「装苑」2016年5月号より)

 

 その試みは、最新曲の「FLASH」でも明白に表れている。

"今"の3人がいちばん輝く見せ方。

これは確かに女子高生・女子大生の頃には出せなかったであろう「27歳のPerfume」だから出せる美しさだ。


セットはいたってシンプル。周りをそぎ落としてそぎ落として、なおかつ体のラインが最高に活きる振り付け。

派手な映像効果が付加されているかといえばそうでもない。

体のラインに合わせシンプルに「線」と「面」を追加するような控えめなCGと、最後に登場する「棒術」を思わせる振りに光の演出を加えた程度だ。

光と影、線と面。

ただそれだけなのにこんなにも目が離せなくなってしまう。

 

私はPerfumeの積み重ねてきたいろんな楽曲・パフォーマンスも年齢と共に成立しなくなっていくのだろうか、というところに危機感を抱いていた。

でもそうではないのかもしれない。

 

年齢と共に成立しなくなっていくのではなく、「その瞬間」に成立する最高のカタチを常に更新していく。

それは決してレベルを下げるとかそういう次元のお話ではなく、年を重ねるからこそ出せるものを最大級に追及することが結果的にレベルアップへと繋がっていく。

 

 

アイドルとしての使命と責任 

そもそもPerfumeはアイドルなのか?と思う方もいるのかもしれない。

パフォーマンスを見ていると玄人達が集まって作り上げるその完成度は「アーティスト」寄りであると思う。その世界観を見ていると、思わず「アーティストだ!」と言い切ってしまいたくなる時もある。


Perfume GLITTER

だが、彼女達は自らアイドルである旨を度々発言する。

押し付けるようなものではなくて、本当にさらっと「アイドル」という言葉を使う。

それは彼女達にとっては当然であることで、そこには自覚や強い意志を感じる。

だからこそ私は彼女達を「アイドルだ」と言い切る。

 

アイドルであり続けるということは「アイドルとして生きる」という使命を受け入れていくことなのかな、と最近ふと思う。

 

ある程度の年齢を重ねてそれでもなお「アイドル」であり続けようとする人というのは、それなりに「アイドル」という職業と向き合う時がくる。

それを乗り越えた上で「"アイドル"をやる」という決意を背負った人というのは強い。

 

2013年、ROCK IN ON JAPAN FES.の大トリをつとめた後のインタビューで「この曲Perfumeだなあって一番強く思う曲は?」と問われたかしゆかは「Dream Fighter」と答えた。

アンコールでこの曲を歌った時、かしゆかは「ああ、こうやって生きていくのが私の使命なんだな」と思ったそうだ。

 

「Dream Fighter」は、彼女達がはじめて武道館でライブを行った時期にリリースされた楽曲だ。

夢を追い続けてきたPerfumeが「武道館ライブ」という夢を叶えた、その瞬間に添えられた思い出深い曲でもある。

 

Dream Fighter - Perfume - 歌詞 : 歌ネット 

このままでいれたら って思う瞬間まで

遠い 遠い 遥か この先まで

最高を求めて 終わりのない旅をするのは

きっと 僕らが 生きている証拠だから

現実に打ちのめされ倒れそうになっても

きっと 前を見て歩くDream Fighter


[MV] Perfume「Dream Fighter」

 

当時この曲に「夢にたどり着いたけどまだまだ進み続けるPerfume」を感じた。

まだまだ上がある、もっともっと先がある、挑戦していく、そんな意思を強く印象付けられた。

かしゆか

「『乗り越えたい!』みたいな気持ちはすごく強いです。その先に、今まででは味わえなかったような喜びとか達成感が待ってるってわかってるんで。手が震えるほど緊張しても、そこを乗り越えた先にまた違うものがあるって、15年間やってきた中で、何度と無く味わってるから。見たことないことに挑戦したい、そしたらそこからまた見えてくるものがあるって。そういう楽しみがもう、たぶん癖になってると思いますね(笑)」

(「ROCKIN' ON JAPAN」平成28年4月30日発行)

ロッキング・オン・ジャパン 2016年 05 月号 [雑誌]

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いろんな挑戦を繰り返してきた結果が今の自信につながって、さらにまた次のステップに挑戦していく。そうしてもっと繰り返されていく。

 

1つ越えても、まだ次がある。

達成してもすぐにまたその先を目指していく。

 

 

「Perfume」を追求しそのスタイルを確立するべくがむしゃらに突き進んでいたブレイク直後からすると、その姿は少しかたちを変えた。

けっしてマイナスな意味で言っているではない。

「Perfume」というアイコンを守る、そのイメージを崩さないことに重きを置きながらレベルを上げてきた。

それはきっと「作り上げなければいけないもの」であったように思う。

 

本人がそこにいるだけではなくてそこにいくつかの特徴を上乗せする。

もちろん3人がそこにいることも大事ではあるが、何人もの職人が集い「プロジェクト」のような形で進行することで「Perfume」の人気は不動のものとなった。

 

そして今の彼女達を見ていると「Perfume」はもう「作り上げなければならないもの」ではなくなったのではないか、と思うのだ。

 

スタイルを貫かなければならないのではない。

1つのアイコンを確立し、その姿はもう揺らがないだろう。

「Perfumeらしいことをしなければならない」のではなくて、「彼女たちがやることがPerfumeらしい」のだ。 

今の彼女たちなら、歩いていく道そのもの、生きていく姿そのものが「Perfume」になるのだと、私は思う。

 

 

アイドルとは、その成長過程を一緒に歩んでいく存在である。

アイドルについて考えていると「アイドルって何なんだ?」というところにいつもたどり着く。何度も何度も考えて、その度にいろんな考えにたどり着く。

 

あらためてwikipediaで調べてみると、こんなふうに記されていた。

日本の芸能界における「アイドル」とは、成長過程をファンと共有し、存在そのものの魅力で活躍する人物を指す。キャラクター性を全面に打ち出し、歌・演技・お笑いなど幅広いジャンルで活動を展開しやすいのが特色である。外見が最も重要視されるモデルとは異なり、容姿が圧倒的である必用はなく親しみやすい存在であることが多い。一方で、はっきりと目には見えない「華」や「人間的魅力」が強く求められるため、一流のアイドルは手が届きそうで届かない存在となる。

( wikipedia「アイドル」)

「成長過程をファンと共有し、存在そのものの魅力で活躍する」という記載には唸ってしまった。

その語源から「アイドル」とは偶像のことである、と一言で片付けられてしまうことも多い。

でも私たちはその偶像が成長していく姿に勇気をもらい、その魅力的な姿に元気をもらう。近いようで遠いその存在にいろいろな感情をもらう。

 

「挑戦し続け、成長してまた新たな一面を見せてくれること」は、アイドルがアイドルでいつづけるための条件なのかもしれない。

のっち

「過去を吹っ切って、夢だと思っていた場所にたどり着いたら、目が覚めて、スーッと幕が引かれるのかなあ、って思ってたけど、違ってた。きっとそれって、自分たちで引くものなんですよね。」

(「音楽と人」2016年5月号)

のっちは、昨年デビュー10周年と結成15周年の集大成を見せるライヴを行って、そのあと感じたことをこんな風に語っている。

冒頭に述べた言葉もそうなのだが彼女の言葉はとても率直で、ざっくばらんなその言葉にドキッとすることもしばしばある。だからこそ共感してしまう。

 

「スーッと幕が引かれるのかなあ」という表現もまさしくそれで、私の中で「アイドルが終わる時」の印象そのものだった。

 

でも、のっちがたどり着いた答えは「幕は引かれるのではなくて自分たちで引くもの」。

つまり「ここで終わり」と決めるのは自分たちで、限界を決めるのも自分たち。

足を止めるか、次の一歩を踏み出すか。

それを決めるのは「アイドル」自身だ。

  

 

最新アルバムの「COSMIC EXPLORER」に収録された楽曲には「旅」というワードが何度も登場する。

中でも私が大好きなのは「TOKIMEKI LIGHTS」だ。

最近は聴くたびに毎回泣いている。曲調こそポップで可愛らしいのだけれど、その歌詞がグッときて仕方がない。

 

ずっと 流れない 時の中で

こんな世界に 囲まれたいけど

いつか 失ってしまうのが

こわいものほど美しい きっと 

TOKIMEKI LIGHTS - Perfume - 歌詞 : 歌ネット

 

ときめくものに出会った時、私たちはずっとそれに触れていたいなあと思う。

ライブなんてものはその典型だ。

この時間が終わらなければいいのに!と思うし、この瞬間を静止してそこにとどまることができたならどんなに幸せだろうと思う。

 

でもこの歌詞に含まれているのは「有限であるからこその美しさ」。

儚いからこそ、より美しい。

永遠ではなく不安定だからこそ、もっと尊い。

 

これはアイドルを愛でるすべての人が感じていることなのではないか。

アイドルの寿命が延びたとはいえ、やはりそこにはいろんな「有限」がある。

「永遠に同じ」であることはない。

 

いつか失ってしまう、そのことをきちんと受け止めた上で今をまっとうする。

それを嘆くのではなくて「だからこそ美しい」と肯定して前に進み続ける。この曲のそんな世界観がとても好きだ。

 

歌詞に登場する、

「光のように ときめくままに 旅してたいよ」

という部分も合わせてPerfumeそのものだな、と思う。

 

なんにでも限りがあって、どんなことにも終わりがある。

でも「終わり」をそのまま「始まり」に直結させるかのように変換してしまうPerfumeの進み方は、「章」の終わりこそ感じさせられても「物語」の終わりは感じさせない。

 

余談だがどうしてこうもピンポイントな歌詞を書き上げてくるのか、楽曲を担当する中田ヤスタカ氏の頭の中を覗いてみたいと心の底から思う。

 

 

 

「アイドルであることを選ぶ」ことは「別の何かを捨てる」こと

冒頭で引用させていただいたのっちの話にも「選択肢」というワードが出てきた。

そしてその言葉を使い、もっと端的に表している文章がある。

「ROCKIN' ON JAPAN」で、3人は10年後の自分たちに向けた手紙を書いている。

その中で、のっちはこう書いている。 

(のっちの10年後のPerfumeへのメッセージより抜粋)

「これまで色々ありました。これからも色々あるね。

目の前にある選択肢から選んで選んで、同時にたくさん捨てながら共に進んできた人生でした。

今、選んで進んでいるあなた達の人生が幸せなものであると信じています。」

(「ROCKIN' ON JAPAN」平成28年4月30日発行)

 

「アイドル」という道を選んだからこそ、増えた選択肢があること。

でも同時に「アイドル」を選んだからこそ、捨てなければならなかった選択肢もあったということ。

そしてそれはこれからも続いていく。

そこには夢があって、同時に切なさもある。

 

Perfumeは、私たちとは懸け離れた偶像である。

 

でも27歳としての彼女達は「違う道を歩む自分」をふと想像してなんだかセンチメンタルな気分になってしまうような、等身大の女性でもある。

 

いろんな選択肢を捨てながら「今」を選んだ27歳の女の子たちに、もっともっとステキな景色を見てほしい。

「アイドルを選んだ」からこそ叶えられる大きな夢を、もっともっと叶えてほしいし、私たちにも見させてほしい。

 

自分勝手ではあるが、ファンとしての私はそんなふうに願わずにはいられないのだ。

 

決意とともに真摯に歩む。その先に彼女達にとっての幸せがこれからもたくさん待っているはずだ、と、私は信じている。

 

 

想像を超えたその先に

どんな景色があるんじゃろう

わたしたちは進む

Perfumeは進む

ーあ〜ちゃんー

  

ありがとう

あなたがいて成り立つ世界

旅は続く 未だ見ぬ未来へ

ーかしゆかー

 

旅はつづきます

その先でまた会えますように。

ーのっちー

 

 (「COSMIC EXPLORER」ツアーの最終公演で、終演と共に映し出されたメッセージ)

 

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