「私が今一番気になる人物は三宅健である。」
という文章から始まる記事を、書き始めてすぐに放置していた。今年に入ってすぐのことだ。
書き始めてすぐ放置することになったのはなぜかと言えば、はじめましての方以外には多少お分かりいただけるかと思うのだが文章が長くなりすぎるからだ。
あまりにも収拾がつかなくなりそうだったため早々に断念し、とりあえずは少しずつ、その時々で思ったことを整理しながら少しずつ消化することにして過ごした上半期だった。
以前、「岡田准一の反抗期」についてまとめた。
出戻ってきて「自分の中で消化しなければいけない」のがこの「岡田准一の反抗期」であったとするなら、「追究してみたい」と一番強く感じたのは「三宅健のアイドル性」である。
それについて考えだすとどうしても一番に浮かんでしまうのが、岡田さんが反抗期だった頃に三宅さんが言ったという「アイドルとしての誇りを持ってくれ」という言葉だ。
久しぶりに自分で書いたこの記事を読んでちょっと泣いてしまった。
私が書く記事は結果的に自分が泣きやすい動線に収まりがちなので、読み返してはちょくちょく泣いている。
当たり前のことが、当たり前じゃなくなること。
V6でいることが、当たり前じゃなくなるかもしれない。いつかは終わるかもしれない。
漠然とした危機感を抱えながら過ごした2005年の10周年。そんな中で三宅さんがやろうと思ったことが「メンバーをポラロイドで撮影する」だったのだから、泣かせる。
「テクニックがあるわけじゃない。でも、僕が撮りたいのはプロのカメラマンが撮るようなカッコいい作品ではなく、ある意味、プロのカメラマンには取れない写真。被写体への愛情、そう、照れくさいけど、V6への愛情だけで成立するような写真。きっと、メンバー同士だからこそ撮れる写真があるはずだ。」
(2005年ツアーパンフより、三宅さんの言葉)
メンバーが好き。ファンが好き。
自らが自分の所属するグループの大ファンで、ファンの目線でものごとを考える。
「とにかく、この"6人"というのが好き。そして、いいコちゃん発言にとられたらイヤだけど、V6を応援してくれるファンのみんなが好き。だから、実はかなり激しいV6ファンであり、V6メンバーでもある僕が、ファンのみんな(当然、自分も含む)が喜ぶ顔をイメージしながら考えると、どんどんやりたいことが湧いてくるというわけ。」
(2005年ツアーパンフより、三宅さんの言葉)
「ファン」としての目線で考えた時に一番私たちに温度が近いのは三宅さんのような気がする。
握手会を発案したのは三宅さんらしいし、企画する時の目線がとても近いような気がするなあと感じる時が度々ある。
「みんなファンの人が求めている物を何で分からないかなっていう、もちろん近くに来てくれるっていう気持ちも凄く分かるし、それもあると思うの。
でも基本的に自分たちが「これ以上いったら吐いちゃうんですけど」っていうくらい踊って、そのぐらい踊ってファンの人にはちょうど良いというか、満足度が満たされるっていう事だと思ってるんですよ僕は。だから僕はいつも踊ろう踊ろうってとにかく踊りまくって、極力ね。
もちろん外周に行って近くに行ってあげるのも大事だけど、歩いたりとか、お手振り曲を減らしましょうっていうのが僕の思いなんですよね。
(「三宅健のラヂオ」/2011年6月6日放送)」
ダンスが好きなのはもちろんだが、その裏にあるのは「見せる」ことへのこだわり。
「求められているもの」を確実に届けようとするその気持ち。
私が三宅さんを「プロアイドル」と言うことの理由のひとつはこれだ。
(20周年当日のアニバーサリーコンサートを終えた翌日ジャニーズweb内の三宅さんが綴った文章を見て)
ざっくりと中身を説明するならば「代々木組」「家で留守番組」「デビュー時からのファン」「新規」と、すべての人にコメントをしていた。
私が1番びっくりしたのは「出戻り組」に対してまでもコメントしていたこと。
本当に、この人は。
呆れてしまうくらいにアイドルで、呆れてしまうくらいにファンの目線をよくご存知で。三宅健という人に、私は負けっぱなしだ。
V6の最新コンサートDVDに収められた特典映像の中に「みんなで足つぼマッサージを受ける」という企画があった。
それぞれ体の中で悪いところが指摘されたのだが三宅さんの悪いところはまさかの「頭」だった。
頭が悪いといっても、頭の使いすぎ、という意味である。
いつでもファンの心理を読んで、先回りして望むものを用意してくる三宅さんのプロアイドルぶりには驚かされるばかりだ。頭の使いすぎを指摘されたところで納得しすぎて困る。「でしょうね…」という感想を抱くしかなかった。
(WOWOWでV6のコンサート映像が放送されることになり、その編集に三宅さんが関わったという話題から。わざわざ足を運び6時間ほどつきっきりで作業に立ち会った。)
ここまで来ると私はもう、三宅さんがコワイ。
「アイドル」が、「アイドル」たる部分を追求することのおそろしさ。
そこにはまだまだ可能性を感じさせてくれる。
何をやってくれるのだろう。何を見せてくれるのだろう。
20周年を越えてなお「アイドル」としての未来を見せてくれそうで、私はやっぱり期待してしまうのだ。
「V6」にとっての三宅さんの存在ってなんなんだろう、とよく考える。
まだしっくり来るうまい例えは見つけられていない。
誰一人欠けてもV6ではないが、その中でも人一倍グループについて考えていて、常に先を読んでいる。かといって1人で前を歩き一方的にグイグイ引っ張っていく、というわけでもない。
「三宅健」というアイドルだ、という認識よりは「V6」というアイドルグループの中の「三宅健」である、という事柄を優先しているように感じる。
それくらいに「グループの一員としてのアイドル」としてやるべきことを模索してきたプロであるし、ため息が出てしまうくらいファンに極めて近い目線からグループプロデュース、および自己プロデュースをする。
さらにそれを実現するために努力を惜しまない。そこまでわざわざ苦労しなくても、と思ってしまうことすらあるほどだ。
緻密に練られたようなプロデュースを活動の端々に感じる一方で、狙ってるんだか狙ってないんだかはかりかねるような事案も多く発生する。
ファンの要望がわかっているからこそあの、三宅健らしいあざとさMAXな発言や行動が出たりするのだろう。何度、「くっ…!」となったことか。
悔しい。狙ってやっているのがわかっているのに術中にはまることほど悔しいことはない。悔しいのにいちいち反応してしまうのだから敗北感満載だ。
そのくせ、あざとさの中に天然も混ざってくるのだから曲者だ。そのいびつさが堪らないのだけども。
本当にこれが曲者で、どこからどこまで計算なのか、それともまったく計算していないのか。
手のひらで転がされているのか。
だがファンの求めるものを出そうとしてくれるということは、逆にこちらが手のひらで転がしているということにもなりうるのではないか?
深く考えだすと何が何やらわからなくなってくる。かくして事件は迷宮入りだ。
ものすごくストイックなアイドルという一面に加え、ツッコミどころが満載な独特な一面もある。真面目で不器用。素直であまのじゃく。狡猾で天然。
私はこの絶妙なバランスこそが三宅健の最大の魅力であると思っていたりする。
時には「なんなんだ、この人は…!」とそのプロアイドルっぷりに感嘆する。
でも「なんなんだこの人は…?!」と大混乱することも多い。
心のなかでツッコミを入れながらの三宅健のラヂオ、あぁもう楽しい。
大部分は「何それ!?」という感情なのだが同時に「三宅健すぎる」とも思うし、「出よった…!」「やりよった…!」という気持ちもある。複雑な感情が入り混じったツッコミだ。
三宅さんに関しては文字にするには難しい感情が多すぎて近頃ほとほと困っている。
また過去のラジオを聞き返すと、もうただただ自由奔放で天然な様子が見て取れた。
外見・中身とも「昔と変わらないなー」なんて思ってばかりだったのだが、昔のほうがはるかに奔放だった。
昔の三宅さんの奔放さについてはいずれまた触れていきたいと思う。とにかくツッコミどころが満載すぎる。
昔のラジオ音源をカセットテープからパソコンに移す日々 - ループ ザ ループ。
昔々に私がV6の解散を案じていた頃、勝手に「V6だってきっといつかは解散するんだ…」と思って悲観的になっていた。
それと同時になぜか思っていたことがあり、それは「健くんだっていつかは老けておじさんになるんだ…」ということだった。
漠然とそう思っていた自分が今となってはおもしろい。
なぜ三宅さん限定でそんなことを考えていたのかと言えば、私にとって三宅さんは特に「変わらない外見」の象徴だったからだろう。
厳密に言えば髪型なりなんなり変わってきているところはあったが、それでも私にとっては「不変の人」、というイメージだった。
結局、2016年にV6は無事に21周年を迎えようとしている。
それはまあわかるとしてもおそろしいことに三宅健さん、老けていない。そんな馬鹿な。
私のあの頃の杞憂は本当に無駄だった。老いという概念すら覆されてしまった。
よくもまあこんな想像以上の未来を見せてくれたものである。
奇跡のおじさんは、果たしていつまで奇跡のおじさんでいてくれるのだろうか。
2016年7月2日で三宅さんは37歳を迎えた。
37歳の1年は果たしてどんな「三宅健」を見せていただけるのだろう。
三宅さんのよく使うお言葉をお借りするならば「必笑」、この1年も笑顔の多い素敵なお姿を見せていただきたいものである。
☆今日は、三宅君の誕生日☆
— ラブセン~V6とヒミツの恋~ (@V6_lovecen) 2016年7月2日
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公式恋愛ゲームのツイッターで「いつもキュートな三宅君」なんて書かれる、そんな37歳男性。
期待すればするほどそれ以上のものをくれそうで、考えれば考えた分だけその都度答えをくれそうな気がしてしまう。
遠いなあと思うのにたまにとんでもなく近くにいるような気になってしまう。
翻弄されっぱなしの自分がお恥ずかしい。
引き続きそのわかりやすいようで掴みきれない絶妙なアイドルっぷりについて考えながら、何度も何度も迷宮入りさせつつ「ああでもないこうでもない…」と考える日々は続きそうである。
三宅さんお誕生日おめでとうございます!