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ジャニオタに薦めたい共感できるマンガ1選


皆さんはないだろうか、こんな経験。

街中でグッズを持ったジャニオタに遭遇し勝手に共感してテンションが上がり、「私も好きなんです!」だとか「それいいよね!」と心の中で主張したこと。

もちろん伝わるわけもなく「お元気で…」とそっと背中を見送ったこと。

知り合いでもないのに、だ。

 

私はある。

というかコンサート後とか特にあるある。

話しかけられるほど根性は座っていないが、地元の駅まで同じ電車にグッズを持った人がいると「こんな片田舎にも同志が…!」と思う。

そして「お疲れ!」と労うのだ。当然、心の中で。

コンサート後はそんなことが地味に楽しかったりする。

 

このあるあるに共感してくださった方は、もしかすると私が今猛烈にお薦めしたいマンガにハマっていただけるかもしれない。

 

 

ジャニオタに薦めたいマンガ「トクサツガガガ」

私は最近とても好きな漫画がある。

少女マンガもいまだに好きだ。流行りのものはわりと読んでみたりもする。だがその辺りのマンガはおそらくジャニオタのみなさんもよく読まれていると思うので、私が薦めるまでもない。

 

今回お薦めしたいのは、おそらくジャニオタのみなさんにあまり浸透していないであろうマンガだ。

しかしながらこんなに「ジャニオタ」として共感できるマンガはないのではないか、と思っている。

 

それが今回お薦めする「トクサツガガガ」だ。

  

 

トクサツガガガ 1 (ビッグコミックス)

トクサツガガガ 1 (ビッグコミックス)

 

 

 

 

ジャニオタが主人公ではない。だが限りなく近い。

「ジャニオタにお薦めしたいというからには、ジャニオタが主人公?」

と思われた方もいるかもしれない。

期待を裏切ってしまって申し訳ないが、このマンガの主人公はタイトルにもあるようにトクサツ、つまり特撮ヒーローもののオタク「特オタ」だ。

 

主人公は特オタである26歳のOL、仲村さん。

彼女は周囲に特オタであるということをひた隠しながらも、趣味に勤しみ日々を潤しながら生きている。

 

形は違えどこういう一面がある人は多いのではないだろうか。

言いたい、でも言えない。なぜなら周囲の目が気になるから。

アイドルオタクって痛いんじゃないの?そんなふうに思われたくはない。だったらはじめから言わないでおこう。

これはオタクが背負う宿命とも言える。

 

このマンガの1話は、主人公が職場の飲みの誘いを断るところから始まる。

録画しておいた番組を見たいという理由で。そして一人暮らしの部屋へ帰宅し、「かっこよすぎか!!」とのけぞりながら録画を見る。

 

さすがに現実でこの動きをする人はあまりいないだろうが、脳内ではどうだろう。

自担の番組を見た時にのけぞるほどたぎる瞬間があるのではないだろうか。まさしくこれである。

 

主人公は、多数発売されるDVDのために節約する。

不出来なものを見て「だがそこがいい…」というフェチズムを発揮する。

関係者でもないのに映画の興行収入を気にする。

 

不思議なことに、この特オタ・仲村さんに共感する部分は多い。

 

 

オタク最大のジレンマ「仲間は欲しいがオタバレはしたくない」

中でも私が特に共感したことの一つとして「イクトゥス」を挙げたい。

「イクトゥス」というのは隠れキリシタンが用いたお互いにしかわからないシンボルマークのことだ。

十字架をかかげねば同士は見つからない、だが十字架をかかげればキリシタンであることがバレてしまう…そんな中で使われたお互いのみが知るキリシタンの証、それがイクトゥス。

 

これが最初に述べた「あるある」につながる。

ジャニオタグッズ問題、とでも言おうか。

 

日常生活でグループ名丸出しのグッズは使いずらいし、もちろん普段使いのカバンからあの大型うちわの柄をはみ出させて歩くわけにもいかず。

オタクは普段は真っ当な人間に擬態して生きている。

 

だがこれが同志にしかわからないようなグッズだったらどうだろう。

オタクは自分が好きなものをできることなら身につけたいし日常で使いたい。だが使えないのだ。一般人にオタバレするから。

だからこそ普段使いできるような、あくまでもさりげなく同志のみにオタを主張できるグッズを欲している。

まさしくイクトゥスではないか。

 

作中では、この同志にしかわからないグッズのことを「イクトゥス」と表現している。

主人公である仲村さんが通勤電車で特オタの同志を見つけ、なんとか周りにはバレずに自分も特オタだということを主張するべく奮闘するのだが、それがかなり笑える。

 

 

 満を持して登場したアイドルオタクキャラ

特オタ女子にこんなに共感できるのか、と思いながらこのマンガを読み進めていたのだがなんと4巻からは私達と同じく「男性アイドルオタク」のキャラクターが登場する。 *1

はっきり言おう。特オタ女子に興味のない方はこの4巻だけでも十分楽しめるかもしれない。

もちろん1巻から読んでほしい、だがこの4巻はぜひ読んでほしい。ジャニオタに。 

 

このアイドルオタクキャラ・北代さんは職場でオタバレし、そして周りから『アイドルに本気で恋をしているため婚期を逃している人』という目で見られた過去がある。確かに一般人からすればそう見えるのかもしれない。

北代さんはこう苦悩する。

「なんでアイドル=恋愛対象なの!?別に付き合いたいとか彼氏にしたいとかじゃなくてね!?」

「私は8人でそろって元気でいるところが一番好きで中でもシロヤンが好きってだけだ べつにシロヤンが誰と結婚しようと自由だしなんだかんだ苦労とかあるだろうけど笑顔でいてくれる存在というのが好きであって」

(「トクサツガガガ」4巻)

共感しすぎて困る。これは私か?とさえ思う。

 

とりあえず先日20周年で胸が熱くなったのも記憶に新しいV6オタの方々には共感してもらえるのではないかと思うのだが、どうだろう…。

「グループの絆」というのはジャニオタにとって重要な項目で、私の中では最重要項目とも言える。

 

作中のアイドルオタク・北代さんは上記の引用のような感情を抱いているのだが、同時に「これを語るとまた白い目で見られるし」と苦悩するのだ。わかる。

一般人にこの熱い想いを語ったところで、なのだ…。

 

北代さんに異常なまでの共感を覚えた4巻は最新刊であり、まだ現在も週刊ビッグコミックスピリッツで連載中だ。

特撮オタク、アイドルオタクどちらのキャラにもジャニオタとして共感でき、たくさんの名言が登場している。

その中での一つを紹介しておきたい。

年が経つたびに、皆といつでも逢えたってことが、本当に夢のような時間だったんだなぁって思えますから。そして自分を呪うんです。交通費がとか忙しいとかいってもっとちゃんと観に行かなかった自分を…

(「トクサツガガガ」3巻)

 

あああ…。

 

 

特撮に興味がなくても絶対に楽しめる

特撮ヒーローなんて興味ないし、専門的なことわからないしな…と思われた方もいるかもしれない。だが安心していただきたい。このマンガは特撮ヒーローのことを全く知らない方でも楽しめるように丁寧に説明しながら展開されていく。

全く知識の無かった私がここまでハマったのだから、自信をもって言える。

 

そしてこの「トクサツガガガ」、第1話は無料で読める。

ぜひ試し読みしてみてほしい。

spi-net.jp

 

 

 

最後に、V6と特撮の関係性について。

最後にひとつ、私が伝えたい小耳に挟んだ素敵な話があるのでそれを披露したい。

 

ご存知の通り長野博の代表作として「ウルトラマンティガ」がある。

私もWikipediaを見て知ったのだが、こんなエピソードがあった。

ティガ放送終了から数年後、所属するジャニーズ事務所が作成する公式プロフィールからティガに関する記載が削除される事となった時、強く反対をした(現在では再び記載されている)。

(Wikipedia「長野博」のページより)

ほっこりするエピソードだ。

長野くんの家にはウルトラマン部屋(ウルトラマングッズを集めた部屋)があるらしいし、本人もウルトラマンが大好きだというのがとても伝わってくる。

 

それに加え、先日特オタ方面の方が長野くん、及びV6に対してこう評しているのを目にした。

 

それは「トクサツガガガ」の作者さんがラジオに出演すると知り、そのラジオをネット配信で聞いていた時のこと。

番組の内容は特撮番組で使用されていた曲を1日中かけ続ける、という非常にマニアックなもの。この番組中でV6の「TAKE ME HIGHER」がリクエストで流れた。

たくさんの特オタさんがネット上でリアクションしてくれているのを見てとても嬉しくなった。作品に楽曲提供することはたまにあるが、あちら側のファンの方にまで長く愛してもらえているのはとても嬉しい。

 

その中に、こういった感想があった。

「ティガの後年の高イメージは作品内容もさることながら ジャニとV6と、何より長野自身が決してティガを黒歴史にしないどころか 大事にしてくれているということが大きかったんじゃないかとか思う」

https://twitter.com/koba200x1/status/648123551648649216

 

大事にしているというのが特オタさんにも伝わっているのだとしたらさらに嬉しい。

そうなんです、大事にしてるんです。ジャニーズ事務所のほうはちょっと…公式プロフィールから消そうとした過去があったみたいで…なんかすいません…。

 

あまりにも嬉しくて、「長野くん、ちゃんと届いてるよ!!」と言った。

 

もちろん心の中で。

 

痛いオタクで申し訳ない。

 

 

とは言え、このマンガに出会えていなければこんな素敵な感想にも出会うことはなかっただろう。

それも含めて私はこのマンガに出会えてよかったなあと思うし、胸を張ってジャニオタに薦めたいと思う。

 

 

*1:正確にはそれ以前から登場しているのだが、アイドルオタクだということが明かされるのが4巻